ウルトラ先生の「力の図示」徹底解説!

~物理の"なぜ?"をスッキリ解消~

付録A.3:用語集 (Glossary) ~これでキミも物理博士?!~

はじめに:物理の言葉をマスターしよう!

物理の世界を探検していると、たくさんの専門用語に出会うよね。 「慣性」「垂直抗力」「ベクトル」「次元」…。これらの言葉の意味を正確に理解することが、物理の理解を深めるための大切な一歩だ。

この用語集は、この「ウルトラ先生の力の図示徹底解説!」サイトで登場した重要なキーワードや物理用語を集めて、その意味を分かりやすく説明したものだよ。 五十音順に並んでいるから、分からない言葉が出てきたときや、学んだことを復習したいときに、辞書のように使ってみてね! 説明の中にあるリンクをクリックすれば、関連する解説ページにジャンプすることもできるよ(※リンクは順次整備予定)。

この用語集を使いこなして、物理の言葉をマスターしよう!

用語リスト(五十音順)

作用・反作用の法則 (Law of Action and Reaction)
ニュートンの第3法則。物体Aが物体Bに力(作用)を及ぼすとき、必ず物体Bも物体Aに、大きさが等しく向きが反対の力(反作用)を及ぼし返すという法則。力は常にペアで存在する。(参照: 2.2.3)
アルキメデスの原理 (Archimedes' principle)
流体中の物体が受ける浮力の大きさは、その物体が押しのけた流体の重さに等しい、という原理。$F_B = \rho_f V g$ で表される。(参照: 3.3)
慣性 (Inertia)
物体が現在の運動状態(静止または等速直線運動)を続けようとする性質のこと。慣性の大きさは質量によって決まる。(参照: 2.2.1)
慣性の法則 (Law of Inertia)
ニュートンの第1法則。力が働かない(または力がつり合っている)限り、物体はその運動状態を維持する、という法則。(参照: 2.2.1)
慣性系 (Inertial frame of reference)
静止しているか、等速直線運動をしている座標系。ニュートンの運動法則がそのまま成り立つ。(参照: 2.2.1, 3.5)
慣性力 (Inertial Force)
非慣性系(加速度運動する座標系)で運動を記述する際に導入される見かけの力。大きさは $ma_{frame}$ で、向きは座標系の加速度と反対向き。(参照: 3.5)
運動方程式 (Equation of Motion)
ニュートンの第2法則。物体の質量 $m$、生じる加速度 $a$、働く力の合力 $F$ の間に $ma=F$ の関係があることを示す式。力学の最重要法則の一つ。(参照: 2.2.2)
エネルギー (Energy)
仕事をする能力。運動エネルギー、位置エネルギー、熱エネルギーなど様々な形態がある。単位はジュール(J)。(参照: A.2)
円運動 (Circular Motion)
物体がある点を中心として、その点からの距離を一定に保ちながら回る運動。(参照: 3.6)
加速度 (Acceleration)
単位時間あたりの速度の変化率。大きさと向きを持つベクトル量。単位は m/s²。(参照: 2.2.2)
外力 (External force)
考えている物体系(システム)の外から及ぼされる力。物体系全体の運動を変化させる。(参照: 3.1)
成分 (Component)
ベクトル(力など)を座標軸の方向に分解したときの、各軸方向のベクトルのこと。力の分解で使う。(参照: 2.1, A.1)
剛体 (Rigid body)
力が加わっても全く変形しないと仮定された理想的な物体。大きさや形は持つ。回転運動などを考えるときに使う。(参照: 4.1)
合成(力の)(Composition of forces)
複数の力を、それらと同じ効果を持つ一つの力(合力)にまとめること。ベクトルの足し算。(参照: 2.1, A.1)
合力 (Resultant force / Net force)
物体に働くすべての力をベクトル的に足し合わせた(合成した)力。運動方程式 $ma=F$ の $F$ は合力を指す。(参照: 2.1, 2.2.2)
三角比 (Trigonometric ratios)
直角三角形の辺の長さの比 ($\sin, \cos, \tan$)。力の分解などで頻繁に使う数学の道具。(参照: A.1)
次元 (Dimension)
物理量がどのような基本量(長さL, 質量M, 時間T)の組み合わせでできているかを示すもの。式の妥当性チェックなどに使う。(参照: A.2)
次元解析 (Dimensional analysis)
物理法則や方程式の両辺で次元が一致すること(次元の斉一性)を利用して、式のチェックなどを行う手法。(参照: A.2)
質量 (Mass)
物体の慣性の大きさ(動きにくさ)を表す量。また、万有引力(重力)を生じさせる源でもある。単位は kg。スカラー量。(参照: 2.2.2, 2.2.1)
質点 (Point mass)
質量はあるが、大きさや形を無視できる点として扱われる理想的な物体。並進運動を考えるときに使う。(参照: 4.1)
重力 (Gravity)
質量を持つ物体同士が引き合う力(万有引力)。特に、地球が地表付近の物体を引く力を指すことが多い。大きさは $mg$。鉛直下向き。(参照: 1.3.1)
重力加速度 (Gravitational acceleration)
重力によって生じる加速度。地表付近では約 $g=9.8 \text{ m/s}^2$。(参照: 1.3.1)
重心 (Center of gravity / Center of mass)
物体の質量の中心。重力はその点に働くとして考えることが多い。(参照: 1.3.1)
スカラー (Scalar)
大きさだけを持つ量。質量、時間、温度など。(参照: A.1)
静止摩擦係数 (Coefficient of static friction)
最大摩擦力を決める係数 ($\mu_s$)。接触面の材質や状態で決まる。単位なし。(参照: 1.3.5.1)
静止摩擦力 (Static frictional force)
物体が動き出すのを妨げる摩擦力。加えた力に応じて大きさが変わる ($0 \le f_s \le \mu_s N$)。(参照: 1.3.5.1)
接触力 (Contact force)
物体同士が直接触れ合うことで働く力。垂直抗力、摩擦力、張力、弾性力など。(参照: 1.4)
張力 (Tension)
糸やロープなどがピンと張った状態で物体を引く力。糸に沿って引く向き。軽い糸ならどこでも同じ大きさ。(参照: 1.3.3)
つりあい(力の)(Force Equilibrium)
物体に働く力の合力がゼロである状態。物体は静止または等速直線運動をする。(参照: 2.1)
弾性力 (Elastic Force)
変形した物体(特にばね)が元の形に戻ろうとする力。ばねの場合、大きさはフックの法則 $F=kx$ で表される。向きは自然長に戻る向き。(参照: 1.3.4)
密度 (Density)
単位体積あたりの質量 ($\rho = m/V$)。単位は kg/m³。浮力の計算で重要。(参照: 3.3)
等速直線運動 (Uniform linear motion / Constant velocity)
速度(速さと向き)が一定の運動。力がつり合っている(合力がゼロ)ときの運動状態の一つ。(参照: 2.1, 2.2.1)
動摩擦係数 (Coefficient of kinetic friction)
動摩擦力の大きさを決める係数 ($\mu_k$)。接触面の材質や状態で決まる。単位なし。一般に $\mu_k \le \mu_s$。(参照: 1.3.5.2)
動摩擦力 (Kinetic frictional force)
物体が滑って動いているときに働く摩擦力。向きは運動と逆向き。大きさはほぼ一定で $f_k = \mu_k N$。(参照: 1.3.5.2)
内力 (Internal force)
考えている物体系の内部で、構成要素(物体)間でお互いに及ぼしあう力。作用・反作用の関係にある。(参照: 3.1)
自然長 (Natural length)
ばねに力が加わっていないときの自然な長さ。弾性力を考える基準点。(参照: 1.3.4)
なめらかな面 (Smooth surface)
摩擦力が働かないと仮定された理想的な面。(参照: 4.1)
ニュートン (Newton) [単位]
力のSI単位。記号はN。$1 \text{ N} = 1 \text{ kg} \cdot \text{m/s}^2$。(参照: 1.1, A.2)
ニュートンの運動の法則 (Newton's Laws of Motion)
物体の運動と力の関係を表す3つの基本法則(第1法則:慣性の法則、第2法則:運動方程式、第3法則:作用・反作用の法則)。古典力学の基礎。(参照: 2.2)
ばね定数 (Spring constant)
ばねの硬さ(強さ)を表す定数 $k$。単位は N/m。フックの法則 $F=kx$ で使われる。(参照: 1.3.4)
非慣性系 (Non-inertial frame of reference)
加速度運動をしている座標系。この中で運動を記述するには慣性力(見かけの力)を導入する必要がある。(参照: 3.5)
非接触力 (Non-contact force) / 場の力 (Field force)
物体が触れ合っていなくても働く力。重力(万有引力)、電気的な力、磁力など。(参照: 1.4)
浮力 (Buoyancy)
流体(液体や気体)中の物体が受ける鉛直上向きの力。アルキメデスの原理 $F_B = \rho_f V g$ で大きさが決まる。(参照: 3.3)
浮力中心 (Center of buoyancy)
浮力の作用点。物体が押しのけた流体の重心の位置。(参照: 3.3)
フックの法則 (Hooke's Law)
ばねの弾性力の大きさ $F$ が、ばねの自然長からの伸び(または縮み) $x$ に比例するという法則 ($F=kx$)。(参照: 1.3.4)
ベクトル (Vector)
大きさと向きを持つ量。力、速度、加速度など。矢印で表現されることが多い。(参照: A.1)
ベクトルの合成・分解 (Vector composition/resolution)
複数のベクトルを合わせること(合成)、一つのベクトルを複数の成分に分けること(分解)。物理計算の基本スキル。(参照: A.1)
保存則 (Conservation law)
特定の条件下で、ある物理量(エネルギー、運動量など)の合計が変化しないという法則。問題を解く強力な武器になることがある。(参照: 4.4)
摩擦係数 (Coefficient of friction)
摩擦力の大きさを決める係数 ($\mu$)。静止摩擦係数 $\mu_s$ と動摩擦係数 $\mu_k$ がある。接触面の状態で決まる。(参照: 1.3.5.1, 1.3.5.2)
摩擦力 (Frictional Force)
物体が他の面と接触して動こうとするとき、または動いているときに、動きを妨げる向きに働く力。静止摩擦力と動摩擦力がある。(参照: 1.3.5)
見かけの力 (Apparent force / Fictitious force)
慣性力のこと。非慣性系で運動を記述するために導入される仮想的な力。(参照: 3.5)
モデル化/理想化 (Model / Idealization)
現実の複雑な現象を、本質を捉えつつ扱いやすくするために単純化すること。質点、剛体、軽い糸などが例。(参照: 4.1)
流体 (Fluid)
液体や気体のように、形が定まらず流れる性質を持つ物質の総称。浮力や抵抗力を及ぼす。(参照: 3.3, 3.4)
万有引力 (Universal gravitation)
質量を持つ全ての物体間に働く引力。地表付近での万有引力を特に重力と呼ぶことが多い。(参照: 1.3.1)

用語集の使い方

この用語集は五十音順に並んでいます(一部アルファベット順が混じる場合もあります)。 学習中や問題演習中に分からない言葉や忘れてしまった言葉が出てきたら、このページを開いて意味を確認してみてください。

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繰り返し参照することで、物理の言葉に慣れ親しみ、理解を深める助けになることを願っています!