第3章:様々な状況における力の図示 ~もっと複雑な世界を探検しよう!~
ようこそ第3章へ!基本を武器に応用問題に挑む!
第1章では力の基本と図示の方法を、そして第2章では力のつりあいとニュートンの運動の法則を学んできたね。 力の図示という地図と、運動方程式というコンパスを手に入れた君たちは、もう立派な物理の冒険者だ!
さあ、第3章では、その地図とコンパスを手に、もっと広くて、ちょっぴり複雑 (Complex) な物理の世界を探検していくよ! これまでに身につけた基本的な知識やスキルを応用 (Application) して、様々な面白い現象に挑戦だ。
現実の世界で起こる現象は、単純なものばかりじゃない。でも、難しそうに見える現象も、基本に立ち返って、一つ一つ丁寧に力を図示し、法則を当てはめていけば、ちゃんと理解することができるんだ。 この章を通して、君たちの「物理の目」をさらに鍛え上げていこう!
この章で探検する主な状況
第3章では、物理の問題でよく出会う、次のような様々な状況を取り上げていくよ。
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複数の物体 (Multiple objects) が登場する場合
物体がくっついていたり、積み重なっていたり、糸でつながっていたり…。こんなときは、焦らず「どの物体に注目するか」を切り替えながら考えるのがコツだよ。物体同士が及ぼし合う力にも注目だ。
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斜面 (Inclined plane) 上の運動(再訪&深掘り)
おなじみの斜面だけど、今度は摩擦があったり、複数の力が働いたりと、少しレベルアップ! 重力を斜面方向と垂直方向に分解するテクニックが、ますます重要になるぞ。
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浮力 (Buoyancy)
水やお風呂に入ると体が軽くなったように感じるのはなぜ? 物体を浮かせる不思議な力、「浮力」の正体と、その大きさを決めるアルキメデスの原理について学ぼう。
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空気抵抗 (Air Resistance)
これまでは「無視できるものとする」ことが多かった空気抵抗。でも実際にはどんな力が働いているんだろう? どんな性質があって、どんな時に考えに入れる必要があるのかを見ていくよ。
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慣性力 (Inertial Force)
加速する電車やエレベーターの中で、体が引っ張られたり押し付けられたりするように感じる不思議な力。これは「見かけの力」とも呼ばれる慣性力によるものなんだ。慣性系以外の座標系 (Frame of reference) で運動を考える、新しい視点を学ぼう。
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円運動 (Circular Motion) と向心力 (Centripetal Force)
ボールをひもにつけて振り回したり、カーブを曲がる車に乗っていたり。物体がぐるぐる回る運動が円運動だ。どうして物体はまっすぐ飛んでいかずに回り続けられるんだろう? その鍵を握る「向心力」について探求するよ。
どれも物理の面白さがギュッと詰まったテーマばかりだね!
学習の進め方
この章で登場する様々な状況も、攻略法はこれまでと同じだ。
- まずは、どんな状況なのかをしっかり把握する。
- 注目物体を決め、丁寧に力の図示を行う。(これが一番大事!)
- 必要に応じて、力のつり合いの式や運動方程式を立てる。
- 式を解いて、求めたい量(加速度、力、速さなど)を計算する。
一見複雑に見える問題も、基本法則(特にニュートンの運動の法則)がどのように応用されているのかを一つ一つ確認しながら進めていけば大丈夫。 図やアニメーション、シミュレーション(の構想)も活用しながら、難しい現象もイメージで掴めるように解説していくからね!
最初の探検へ! ~複数の物体が登場する世界~
さあ、準備はいいかな? まずは、複数の物体がお互いに力を及ぼし合いながら運動する状況について、詳しく見ていくことから始めよう!