第2章:耳コピに必要なスーパーパワー
2-3. 音を覚える力:Auditory memory (聴覚記憶) でメロディーをキャッチ!
これまでに「音感」と「リズム感」という、耳コピに大切な2つのスーパーパワーについて学んできたね。 音の高さやリズムがバッチリ聞き取れるようになったとしても、それをすぐに忘れてしまったら…? そう、せっかく聞き取ったメロディーも、まるで泡のように消えてしまうかもしれない!
そこで登場するのが、3つ目のスーパーパワー、「Auditory memory (聴覚記憶 ちょうかくきおく)」だよ。 これは、耳から入ってきた音の情報を、頭の中にしっかりとキープしておく力のこと。 聞いたメロディーやリズムを「キャッチ」して、忘れないように「ホールド」する、とっても大事な働きなんだ。
Auditory memory (聴覚記憶) ってどんな力?
聴覚記憶は、特別な音楽の才能というわけじゃなくて、みんなが毎日使っている力だよ。 例えば、友達がお話ししている内容を理解したり、先生が言ったことを覚えておいたり、電話で聞いた番号を一時的に記憶したりするのも、この聴覚記憶のおかげなんだ。
音楽の世界では、この聴覚記憶がこんな風に活躍するよ。
- 短いメロディーやリズムのフレーズを覚える(短期記憶): 曲の一部分を聞いて、「今のフレーズはこんな感じだったな」と数秒~数十秒くらい頭の中に留めておく力。耳コピで音を探したり、楽譜にメモしたりするときにフル回転するよ。
- 曲全体や好きなメロディーを長く覚えておく(長期記憶): 何度も聴いた曲や、すごく心に残ったメロディーを、何日も、何ヶ月も、時には何年も覚えていられる力。昔好きだったアニメの主題歌を今でも歌えるのは、この長期記憶のおかげだね。
耳コピと聴覚記憶の超・超・重要な関係!
耳コピをするとき、聴覚記憶はまさに「縁の下の力持ち」。こんな風に、あらゆる場面で君を助けてくれるんだ。
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フレーズをキャッチ!:
曲を聴いて、「よし、この部分をコピーするぞ!」と決めたら、まずはその短いフレーズ(例えば2小節とか4小節くらい)を集中して聴くよね。このとき、聴覚記憶がそのフレーズの音の高さ、リズム、強さ、音色といった情報を一時的に頭の中に保存してくれるんだ。
♪ (曲が流れる) ♪ → (集中して聴く!) → 頭の中にメロディーをキープ!
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音を探して再現!:
頭の中にキープしたメロディーを頼りに、ピアノやギターで同じ音を探したり、楽譜に書き起こしたりする。この作業中も、何度も頭の中の音と照らし合わせるから、聴覚記憶はずっと働き続けているんだ。
頭の中のメロディー:「ド・ミ・ソ~♪」 → 楽器で:「ド…ミ…ソ…これだ!」
- 曲の全体像をパズルみたいに組み立てる!: 短いフレーズを一つ一つコピーしていって、それらをつなぎ合わせていくと、曲全体のコピーが完成する。Aメロはこんな感じだったな、サビはこうだったな、と曲の構成を覚えておくのにも聴覚記憶が役立つよ。
つまり、耳コピは「聴く」→「覚える」→「再現する(または書き取る)」→「また聴く」…この繰り返し。 聴覚記憶がしっかりしていないと、このサイクルがうまく回らないんだ。
聴覚記憶を鍛えるには? 毎日のちょっとした工夫!
「記憶力なんて、そんなに良くないし…」って心配になった人もいるかもしれないけど、大丈夫!聴覚記憶もトレーニングで鍛えることができるんだ。
- Active listening (アクティブリスニング) - 意識して聴く!: ただ音楽をBGMみたいに聞き流すんじゃなくて、「このメロディーを覚えよう!」「このリズムはどうなってるかな?」と、頭を使いながら聴いてみよう。
- Humming (ハミング) / Singing (歌う) - 口ずさんで体に刻む!: 聴いたメロディーを、すぐに「フンフン♪」とハミングしたり、歌詞がわかれば歌ってみたりしよう。声に出すことで、音程やリズムがより記憶に残りやすくなるよ。お風呂の中とか、誰もいないところで試してみてね!
- Mental replay (メンタルリプレイ) - 頭の中でリピート!: 曲を止めた後、頭の中で「今のフレーズ、もう一回!」と再生してみよう。これができるようになると、記憶力がグンとアップするよ。
- Chunking (チャンキング) - 短く区切って、少しずつ!: 長いメロディーを一度に全部覚えようとするのは大変。まずは1小節とか2小節とか、自分が覚えられる長さに区切って、それを確実に覚えてから次に進もう。
- 繰り返しがカギ!: どんなことでもそうだけど、やっぱり繰り返し練習することが大切。同じフレーズを何度も聴いて、何度も口ずさんで、何度も頭の中で再生しているうちに、自然と覚えられるようになるよ。
このサイトの第3章や第4章のトレーニングでも、この聴覚記憶を鍛える要素がたくさん入っているから、一緒に頑張ろうね!
まとめ
聴覚記憶は、耳コピをするための「見えないメモ帳」みたいなもの。 音感やリズム感でキャッチした音の情報を、このメモ帳にしっかりと書き留めておくことで、初めて正確な耳コピができるようになるんだ。 毎日の生活の中で、ちょっと意識して音を聴いたり、口ずさんだりするだけでも、君の聴覚記憶はどんどん鍛えられていくよ!
これで第2章「耳コピに必要なスーパーパワー」は終わりだよ。音感、リズム感、そして聴覚記憶。この3つの力が、君を耳コピマスターへと導いてくれるはず! 次の第3章からは、いよいよ本格的な「音感トレーニングジム」が始まるよ。お楽しみに!
Summary of English words (英単語のおさらい)
英単語 (English Word) | 意味 (Meaning) | 例文 (Example Sentence) | 意訳 (Japanese Translation of Example) |
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Auditory memory | 聴覚記憶 | Good | auditory memory helps in learning languages.良い聴覚記憶は言語学習に役立ちます。 |
Active listening | 積極的傾聴(意識して聴くこと) | Active listening is key to understanding music deeply. | 音楽を深く理解するためには、意識して聴くことが鍵です。 |
Humming | ハミング(口を閉じて歌うこと) | She was | humming a cheerful tune.彼女は楽しげな曲をハミングしていた。 |
Singing | 歌うこと | Singing can improve your pitch accuracy. | 歌うことは音程の正確さを向上させることができます。 |
Mental replay | 頭の中で再生すること | Try a | mental replay of the melody after hearing it once.一度聞いたメロディーを頭の中で再生してみてください。 |
Chunking | チャンキング(情報を塊にまとめること) | Chunking helps you memorize long phrases more easily. | チャンキングは長いフレーズをより簡単に覚えるのに役立ちます。 |