03-02: 声帯をウォームアップ!~Lip Roll(リップロール)とTongue Trill(タングトリル)~
前のセクションでは、歌うための土台となる正しい姿勢と、力強い声を支える腹式呼吸について学びましたね。体の準備はだんだん整ってきましたか?
さて、いよいよ声を出す練習…の前に、もう一つとても大切なことがあります。それが、声を出す器官である「vocal cords(ボーカルコーズ:声帯)」とその周りの筋肉をきちんとウォームアップすることです。
スポーツをするとき、怪我の予防やパフォーマンス向上のために準備運動をしますよね?歌も同じです。いきなり大きな声を出したり、難しい歌に挑戦したりする前に、喉や口周りの筋肉をほぐし、声帯をリラックスさせてあげることで、よりスムーズに、そして無理なく声が出せるようになるんです。
どうしてWarm-up(ウォームアップ)が必要なの?
歌う前のウォームアップには、こんな良いことがあります。
- 声帯や筋肉の柔軟性を高める: 声帯や口の周りの筋肉がリラックスし、動きやすくなります。
- 血行を促進する: 声を出すために必要な器官の血の巡りが良くなり、声が出やすい状態になります。
- 喉への負担を減らす: 無理な力みなく声が出せるようになるため、喉を痛めるリスクを減らすことができます。
- 声のコントロールがしやすくなる: ウォームアップで声帯のコンディションが整うと、音程や声量のコントロールもしやすくなります。
リップロールとタングトリルって何?
このセクションで紹介するのは、ボイストレーニングのウォームアップとして非常にポピュラーで効果的な「リップロール」と「タングトリル」という2つの方法です。
- Lip Roll(リップロール): 唇を軽く閉じて、息を吐き出しながら「ブルルルル…」と唇を振動させる練習です。赤ちゃんがよくやる「ブーブー」という遊びにも似ていますね。
- Tongue Trill(タングトリル): 舌先を上の歯茎の裏あたりに軽くつけ、息を吐き出しながら「トゥルルルル…」または「ルルルルル…」と舌を振動させる練習です。巻き舌ができる人はそれを応用します。
どちらの練習も、息の量を一定に保つ良いトレーニングになりますし、声帯に余計な力を入れずにリラックスさせる効果、そして顔周りの筋肉をほぐす効果があります。最初はうまくできなくても大丈夫!コツを掴めば誰でもできるようになりますよ。
この節で学ぶこと
このセクションでは、以下の2つのページに分けて、リップロールとタングトリルの具体的なやり方やコツを詳しく解説していきます。
- 03-02-01: リップロールのやり方(動画・アニメーション)
唇をリラックスさせてブルブル震わせるリップロール。うまくできない場合の対処法や、音程をつけながら行う応用練習なども紹介します。 - 03-02-02: タングトリルのやり方(動画・アニメーション)
巻き舌が苦手な人でも挑戦しやすいタングトリルのコツや、息のコントロール方法などを詳しく見ていきます。
リップロールとタングトリルは、場所を選ばず手軽にできる効果的なウォームアップです。毎日の練習の始めにぜひ取り入れて、いつでも良い声が出せるように準備を整えましょう!