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03-02-02: Tongue Trill(タングトリル)(巻き舌)習得法~滑らかな息と声を目指して~

リップロールと並んで、もう一つ非常に効果的な声帯のウォームアップ方法が「Tongue Trill(タングトリル)」です。これは、舌先を上の歯茎のあたりで「トゥルルルル…」と細かく振動させる、いわゆる「巻き舌」のような練習です。

タングトリルには、リップロールと同様に以下のようなメリットがあります。

「巻き舌なんてできないよ…」と苦手意識を持っている人もいるかもしれません。確かに少しコツが必要ですが、正しい方法で練習すれば、できるようになる可能性は十分にあります!焦らず、じっくり取り組んでみましょう。

タングトリルの基本的なやり方

基本的なタングトリルのやり方をステップごとに見ていきましょう。

  1. 準備:口の中と舌をリラックス
    まず、口の中全体、特に舌の力を抜きます。舌が硬直しているとうまく振動しません。舌を「だらーん」とさせてみたり、軽く左右に動かしたりして、リラックスさせましょう。
  2. 舌の位置:上の歯茎の裏あたり
    舌先を、上の前歯のすぐ裏側にある少し盛り上がった歯茎(歯茎硬口蓋:しけいこうこうがい、英語では alveolar ridge といいます)に軽く触れさせます。舌全体で押し付けるのではなく、舌先だけを「そっと置く」ようなイメージです。

    息で舌先が振動するイメージ(口の断面図)

  3. 息の吐き方:「トゥルルル…」と一定に
    腹式呼吸で吸った息を、舌先と歯茎の間に向かって、一定の強さで「トゥルルル…」または「ルルルル…」という感じで吐き出します。息の量が非常に重要で、弱すぎると舌は震えず、強すぎると舌が歯茎に押し付けられて硬直してしまいます。ちょうど良い息の強さを見つけるのがポイントです。最初は声を出さずに、息だけで舌を振動させる練習をしましょう。
  4. 振動の感覚:舌先が細かく連続して振動
    舌先が息の力で細かく、そして連続して「トゥルルル…」と振動し、音が鳴るのを目指します。最初は数回しか続かなくても大丈夫。徐々に長く続けられるように練習します。

うまくできないときの原因と対処法

タングトリルは、リップロールより少し難易度が高いと感じる人もいます。うまくいかないときのヒントをいくつか紹介します。

舌が全然震えない、または「タタタ」「ダダダ」のように途切れてしまう…
原因かも?:舌に余計な力が入っている。息の量が適切でない(特に弱すぎるか、逆に強すぎて舌を押し付けている)。舌先の位置が正しくない。舌の筋肉がまだ慣れていない。
試してみて!:
  • とにかく舌の力を抜くことを意識しましょう。「だらーん」とした舌をイメージします。
  • 息の強さを、ごく弱くから始めて、少しずつ強くしていき、舌が震え始めるポイントを探ってみましょう。
  • 舌先の位置を、歯茎の少し手前、少し奥、と微妙に変えて試してみてください。
  • 「らりるれろ」や「だらだら」といった言葉を、舌先を意識しながら速く言ってみる練習も、舌の瞬発力を養うのに役立ちます。
  • (少し行儀が悪いですが)指で舌先を軽く持ち上げて、上の歯茎に触れさせ、その状態で息を吐いてみる、というサポート方法もあります。
  • 「トゥルー」という言葉を発音するときのように、最初に「ト」や「ド」の音を意識して舌を弾くことから始めてみるのも一つの手です。
すぐに息が続かなくなってしまう…
原因かも?:息のコントロールがまだうまくいっていない。無駄な息漏れが多い可能性があります。
試してみて!:
  • 腹式呼吸をしっかり意識し、お腹で息を支えながら、一定の量の息を長く吐き続ける練習をしましょう(前のページでやったロングブレスの練習など)。
  • タングトリルをする際に、必要以上に多くの息を一気に出そうとしていないか確認しましょう。細く、長く息を使うイメージです。

タングトリルの応用練習

基本的なタングトリルが少しでもできるようになったら、リップロールと同じように応用練習に挑戦してみましょう!

  1. 音程をつけてみる
    タングトリルを続けながら、声を出して音程をつけてみましょう。
    • まずは、出しやすい高さで「トゥルルル~」と声を乗せます。
    • 低い音から高い音へ、またはその逆に、滑らかに音程を変化させてみましょう(siren:サイレン)。このときも、舌の振動と息の流れが途切れないように注意します。
    • 慣れてきたら、簡単なメロディーをタングトリルでなぞってみるのも効果的です。
  2. 長さを意識する
    一度の息で、できるだけ長くタングトリルを続けられるように練習しましょう。息の支えと、舌のリラックスを持続させる良いトレーニングになります。

タングトリルのメリットまとめ

タングトリルをマスターすると、こんなメリットがあります。

タングトリルは、最初は少し根気が必要かもしれませんが、習得すれば非常に有効な発声練習の一つとなります。焦らず、遊び感覚で楽しみながら、少しずつ挑戦してみてください。できない日があっても落ち込まず、また次の日にトライしてみましょう!

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