05-04: 継続は力なり!~Motivation(モチベーション)を保つコツ~
さあ、ここまでたくさんの練習方法やテクニックを学んできましたね。知識やスキルは確実に増えているはずです。しかし、どんなに素晴らしい練習方法を知っていても、それを実行し、「continue(コンティニュー:続ける)こと」ができなければ、なかなか目標にはたどり着けません。
歌の上達には、ある程度の時間がかかります。すぐに成果が見えなくて、「本当に上手くなってるのかな…」と不安になったり、練習がちょっと面倒に感じてしまったり…。そんな風にモチベーションが下がってしまうのは、誰にでもある自然なことです。
だからこそ、このページでは、歌の練習を楽しみながら、長く続けていくためのヒントと考え方をいくつかご紹介します。「継続は力なり」という言葉があるように、続けることこそが、あなたの歌を大きく成長させる一番の秘訣なのです。
なぜ「続けること」がそんなに大切なの?
- スキルの定着: 新しく学んだ発声法やテクニックは、何度も何度も繰り返し練習することで、初めて考えなくても自然にできる「スキル」として体に染みつきます。
- 筋肉の成長: 声帯を動かす筋肉や、呼吸を支える筋肉も、スポーツの筋肉トレーニングと同じように、継続的な練習によって少しずつ鍛えられ、強く、そして柔軟になっていきます。
- 自信の向上: 練習を続けることで、たとえわずかずつでも「前より声が出るようになった」「このフレーズが歌えるようになった」という上達を実感できます。その小さな成功体験が積み重なって、大きな自信へと変わっていきます。
- 習慣化の力: 毎日歯を磨くように、練習が生活の一部、つまり「習慣」になってしまえば、「頑張って練習するぞ!」と毎回意気込まなくても、自然に取り組めるようになります。
Motivation(モチベーション)を保つための具体的なコツ
「続けることが大事なのはわかったけど、それが難しいんだよ…」という声が聞こえてきそうですね。大丈夫、モチベーションを保つための具体的な方法を試してみましょう!
1. 小さな目標を設定し、達成感を味わう
いきなり「カラオケで100点!」という大きな目標だけだと、道のりが遠く感じてしまうことも。もっと具体的で、少し頑張れば達成できそうな「小さな目標」を立ててみましょう。
- 例:「今週は、苦手なあの曲のサビだけ音程を外さないようにする」
- 例:「今日は腹式呼吸の練習を10分間やる」
- 例:「リップロールを15秒続けられるようにする」
そして、その小さな目標を達成できたら、「よくやった!」と自分で自分をしっかり褒めてあげましょう。小さな達成感を積み重ねることが、次への意欲につながります。自分へのささやかなご褒美(好きなスイーツを食べる、など)を決めておくのも良いですね。
2. 練習を「楽しむ」工夫をする
練習が「やらなければならないこと」になってしまうと、長続きしません。練習の中に「楽しみ」を見つける工夫をしましょう。
- 難しい練習ばかりでなく、単純に自分の好きな曲を気持ちよく歌う日を作りましょう。
- 友達と一緒にカラオケに行って、ワイワイ楽しく歌うのも最高の気分転換になります。
- 採点機能を使って、ゲーム感覚でハイスコアを目指すのも良いでしょう。
- いつもと違う新しいジャンルの曲に挑戦してみるのも、新鮮な刺激になります。
3. 練習仲間を見つける
一人で黙々と練習するのも良いですが、同じ目標を持つ仲間がいると心強いものです。
- 一緒にカラオケに行ったり、お互いの練習の成果を報告し合ったり、励まし合ったりできる仲間がいると、モチベーションを維持しやすくなります。
- 最近では、SNSなどで歌好きのコミュニティを探したり、自分の練習記録を発信したりして、オンラインで仲間を見つけることもできます。
4. 練習を記録する
「いつ」「どんな練習を」「どのくらい」やったかを記録しておくと、自分の頑張りが目に見える形になり、達成感につながります。
- 簡単な練習ノートをつける。
- スマートフォンのメモアプリや、練習記録用のアプリを活用する。
- (次のページで詳しく説明しますが、記録は成長を確認するためにも役立ちます。)
5. 完璧を目指さない(時には休む勇気も!)
「毎日必ず〇時間練習しないと!」と自分を厳しく追い込みすぎると、疲れてしまったり、練習が嫌になってしまったりすることがあります。
- 完璧じゃなくて大丈夫。少しサボってしまっても、「また明日からやればいいや」くらいの軽い気持ちでいましょう。
- 体調が悪いときや、どうしても気分が乗らないときは、思い切って練習を休む勇気も大切です。休むこともトレーニングの一部と考えましょう。
6. 自分の成長を実感する機会を作る
モチベーションを維持する上で、「自分がちゃんと上達している」と実感できることは非常に重要です。
- 定期的に自分の歌声を録音しましょう。そして、数週間前、数ヶ月前、半年前の録音と聴き比べてみてください。「あ、前はこんな風に歌ってたんだ!」「ここが少し上手くなってる!」という発見が、大きな喜びと次への意欲につながります。
7. お手本(憧れの歌手)の存在を力に
あなたが「こんな風に歌いたい!」と憧れる歌手はいますか?
- 目標とする歌手のライブ映像を観たり、新しい曲を聴いたりすることで、「やっぱりすごい!」「私ももっと頑張ろう!」という刺激を受け、モチベーションが再燃することがあります。
8. 練習環境を変えてみる
いつも同じ場所、同じ方法で練習していると、マンネリ化してしまうこともあります。
- いつも自宅練習なら、たまにはカラオケボックスに行って大音量で歌ってみる。
- 逆に、いつもカラオケなら、静かな場所で自分の声とじっくり向き合ってみる。
- (周りに人がいないか十分に注意して)公園などで軽くハミングやリップロールをしてみる、など。環境を変えることで気分転換になり、新たな発見があるかもしれません。
もしスランプ(伸び悩み)を感じたら…
練習を続けていると、誰でも「なんだか最近、全然上手くならないな…」と感じる時期(スランプ)が訪れることがあります。でも、焦らないでください。それは、あなたが次のレベルへ進むための準備期間かもしれません。
- 基礎に立ち返る:焦って難しいことばかりしようとせず、もう一度、正しい姿勢、腹式呼吸、基本的な発声練習など、基礎を丁寧に見直してみましょう。
- リフレッシュする:一度歌から完全に離れて、全く違う趣味に没頭したり、旅行に行ったり、ゆっくり休んだりするのも効果的です。気分転換が突破口になることも。
- 誰かに相談する:もしボイトレに通っているならトレーナーに、または練習仲間に、今の状況を話してみるだけでも、気持ちが楽になったり、客観的なアドバイスがもらえたりします。
「継続は力なり」。この言葉を胸に、焦らず、比べず、そして何よりも楽しみながら、あなた自身のペースで練習を続けていくこと。それが、あなたが目標とする歌声にたどり着くための、一番確実で、そして一番素敵な道です。頑張ってくださいね!