めざせ100点!カラオケ上達マスターへの道

05-03: 上手い人をマネしてみよう!~耳コピと歌い方の研究~

これまでの章で、発声の基礎から応用テクニック、カラオケでの実践方法まで、様々なことを学んできましたね。着実にレベルアップしていることと思います。

さらなる上達を目指す上で、非常に効果的な練習方法があります。それは、自分が「上手い!」と感じる歌手や、目標とするアーティストの歌を注意深く聴き、真似てみることです。これは、単なる「ものまね」とは違い、良いお手本から技術や表現を学び取るための重要な「imitation(イミテーション:模倣)」という練習なのです。

楽器の練習で、お手本の演奏を聴いて音やフレーズをコピーする「耳コピ」がありますが、これは歌にも応用できます。上手い人の歌には、たくさんのヒントが隠されています。それを探し出し、自分のものにしていくことで、あなたの歌は飛躍的に成長する可能性があります。

なぜ「マネる」ことが練習になるの?

上手い人の歌を真似ることには、こんなメリットがあります。

「マネる」練習の5ステップ

では、具体的にどのように「マネる」練習を進めれば良いのでしょうか?以下のステップで試してみましょう。

ステップ1:お手本を選ぶ

  • まずは、あなたが心から「素敵だな」「こんな風に歌いたいな」と思える歌手や曲を選びましょう。「好き」という気持ちが一番の原動力になります。
  • 最初は、自分の声質や、無理なく歌える音域になるべく近い歌手の曲を選ぶと、真似しやすく、挫折しにくいかもしれません。
  • ジャンルは問いません。ポップス、ロック、演歌、アニソン、洋楽…あなたが学びたいと思うものでOKです。

ステップ2:徹底的に聴き込む!(耳コピ)

選んだ曲を、ただBGMのように流すのではなく、意識を集中させて何度も繰り返し聴き込みます。イヤホンやヘッドホンを使うと、細かい部分まで聴き取りやすくなります。特に以下の点に注意して聴いてみましょう。

  • メロディーライン: 正確な音程はもちろん、しゃくり、こぶし、フォール、ビブラートなどの装飾的な音の動きはどうか?
  • リズム・タイミング: 歌詞の言葉をどのタイミングで発音しているか?リズムに対して早め(食い気味)か、遅め(タメ気味)か?休符(息継ぎ含む)の長さはどうか?
  • 発声・声質: 地声か裏声か?それともミックスボイスか?声はどこで響かせているように聞こえるか(胸?鼻?頭?)?息継ぎはどこで、どんな風にしているか?
  • 表現: 声の大きさの変化(抑揚)はどうか?どんな感情が声色に表れているか?(優しく?力強く?切なく?楽しく?)

Tip: 曲のスピードを再生アプリなどで少し遅くして聴いてみると、細かい音の動きやニュアンスが分かりやすくなることがあります。

ステップ3:部分的に口ずさんでみる

いきなり全部を歌おうとせず、まずはメロディーラインを正確に捉えることから始めましょう。

  • ハミングや「ルルル」「ラララ」などで、音程とリズムだけを真似て口ずさんでみます。
  • 特に真似したいと感じたフレーズや、特徴的なテクニックが使われている部分をピックアップして、そこだけ繰り返し口ずさんで練習します。

ステップ4:実際に声に出して歌ってみる

音程やリズムがある程度つかめたら、いよいよ声に出して歌ってみます。

  • お手本を聴きながら、できるだけそっくりになるように、声質、発声、テクニック、表現などを意識して歌ってみましょう。
  • 最初はアカペラ(伴奏なし)で、お手本と自分の声の違いをリアルタイムで感じながら練習するのも有効です。
  • 次に、カラオケ音源に合わせて歌ってみます。お手本の歌声が頭の中で鳴っている状態で歌えると良いですね。

ステップ5:録音して比較&修正

これが非常に重要です! 自分の歌声を録音し、お手本の音源と何度も聴き比べてみましょう。

  • 「どこがお手本と似ているか」「どこが違うか」を客観的に分析します。(音程?リズム?声色?テクニックの使い方?)
  • 違うと感じた部分を、どうすればお手本に近づけられるか考え、修正して、また歌って録音します。
  • この「歌う→録音→比較→分析→修正」のサイクルを繰り返すことで、着実に上達していきます。

「マネる」練習の注意点

  • 完コピが最終目標ではない: 上手い人のテクニックや表現を学ぶことは大切ですが、最終的にはそれを自分のものとして消化し、「あなたらしい歌」を歌えるようになることが目標です。完全に同じにならなくてもOK!
  • 声質の違いは気にしすぎない: 自分とお手本の歌手の声質が全く違う場合、声色まで無理に似せようとする必要はありません。歌い方の技術や表現のニュアンスを参考にしましょう。
  • 無理は禁物!: お手本の音域が高すぎたり低すぎたりして、自分の声域に合わない場合は、無理に出そうとしないでください。喉を痛める原因になります。キー(高さ)を変えて練習するか、別のお手本を探しましょう。

昔から「学ぶ」の語源は「真似ぶ(まねぶ)」であると言われるように、優れたお手本を真似ることは、あらゆる分野で上達への有効な道筋です。好きなアーティストの歌を深く研究し、その素晴らしいエッセンスを吸収することで、あなたの歌はきっと新たなステージへと進化するはずです。楽しみながら、探求心を持って取り組んでみてくださいね!

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