05-05: 目標を記録しよう!~Growth(グロウス:成長)が見えると楽しくなる~
前のページでは、練習を続けるためのモチベーション維持のコツについて学びましたね。その中でも、特に効果が高く、ぜひ実践してほしいのが「具体的なgoal(ゴール:目標)を設定すること」と「日々の練習をrecord(レコード:記録)すること」です。
ただ漠然と「上手くなりたいな」と思いながら練習するよりも、明確な目標があれば、何をすべきかがはっきりし、練習の効率もぐっと上がります。そして、自分の頑張りや成長の過程を記録として残していくことで、「これだけやったんだ!」という達成感や、「前よりこんなにできるようになった!」という喜びが生まれ、それがまた次へのモチベーションにつながるのです。
このページでは、効果的な目標設定のコツと、練習記録の付け方について詳しく見ていきましょう。自分の成長を「見える化」して、もっと練習を楽しみましょう!
効果的なGoal Setting(ゴール・セッティング:目標設定)のコツ
目標を立てるときは、具体的で、達成可能で、測定可能なものにするのがポイントです。ビジネスの世界などでも使われる「SMARTの法則」という考え方が参考になります。
- S (Specific - 具体的に)
- 目標は、誰が読んでも同じように理解できるくらい具体的にしましょう。「歌がうまくなる」ではなく、「〇〇(曲名)のサビの部分で、音程バーから外れないように歌えるようになる」のように。
- M (Measurable - 測定可能に)
- 達成できたかどうかを客観的に判断できるようにしましょう。「前より声を伸ばせるように」ではなく、「〇〇(母音)のロングトーンで15秒以上安定して伸ばせるようになる」「カラオケ採点で音程正確率を〇〇%以上にする」のように、数字などで測れる目標が良いですね。
- A (Achievable - 達成可能に)
- 今の自分のレベルから考えて、少し頑張れば達成できそうな、現実的な目標を設定しましょう。あまりにも高すぎる目標は、かえって挫折の原因になってしまいます。「1週間後にプロ並みに!」ではなく、「1ヶ月後にこの曲の点数を5点上げる!」といった具合です。
- R (Relevant - 関連性を持たせる)
- その目標が、あなたの最終的な大きな目標(例えば「カラオケで100点を取る」「〇〇な表現ができるようになる」など)にちゃんと繋がっているかを確認しましょう。関係のない目標を立てても、遠回りになってしまいます。
- T (Time-bound - 期限を決める)
- 「いつまでに」達成したいのか、期限を設定しましょう。「いつかできたらいいな」ではなく、「今週末までに」「次のカラオケに行くまでに」「1ヶ月後までに」など、期限を設けることで、計画的に練習を進めやすくなります。
目標設定の例
- 「来週のカラオケまでに、〇〇(苦手な曲)の音程正確率を80%にする」
- 「今日の練習で、腹式呼吸でのロングブレスを20秒間、3回成功させる」
- 「今月中に、リップロールをしながら1オクターブの音階を滑らかに上下できるようにする」
- 「3日後までに、△△(歌いたい曲)の歌詞を完璧に覚える」
Practice Log(プラクティス・ログ:練習記録)をつけよう!
日々の練習内容や成果を記録に残すことは、モチベーション維持と効率的な上達のために非常に役立ちます。
なぜ記録が大切なの?
- 頑張りが見える化: 記録が溜まっていくと、「自分はこれだけ頑張ってきたんだ」という自信になります。
- 効果的な練習の発見: 後で記録を振り返ることで、「この練習をした後は調子が良かったな」「この課題にはこの練習が効いたな」など、自分にとって効果的な練習方法が見えてきます。
- 成長を客観的に確認: 点数や達成できたことなどを記録しておけば、数週間後、数ヶ月後に見返したときに、自分の成長を具体的に確認できます。
- 練習のバランスチェック: 記録を見ることで、「最近、発声練習ばかりでリズム練習ができていないな」など、練習内容の偏りに気づき、バランスを調整することができます。
何を記録する?(例)
- 日付: いつ練習したか。
- 練習時間: 合計で何分(何時間)練習したか。
- 練習内容: 具体的にどんな練習をしたか。(例:腹式呼吸、リップロール、〇〇(曲名)の音程練習、△△(曲名)の採点練習など)
- 成果や点数: ロングブレスの秒数、カラオケの点数、音程正確率、テクニックの回数など、測定可能な成果。
- 気づき・メモ: 練習中に感じたこと、うまくいったこと、課題、次回の練習で気をつけたいことなどを自由にメモ。
記録の方法
記録方法は、自分が一番続けやすい方法でOKです。
- 専用のノートや手帳に手書きする。
- スマートフォンのメモアプリやカレンダーアプリに入力する。
- パソコンのスプレッドシート(ExcelやGoogle Sheetsなど)で管理する。
- 練習記録に特化したスマートフォンアプリを利用する。
練習記録シートのサンプル
例えば、こんな風に記録してみてはいかがでしょうか。
日付 | 練習時間 | 練習内容 | 点数/成果 | 気づき・メモ |
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5/8 (木) | 30分 | 腹式呼吸(5分), リップロール(5分), A曲サビ練習(音程バー見ながら) | A曲サビ音程85% | 高音がまだ少し不安定。息継ぎの場所確認が必要。 |
5/10 (土) | 60分 | B曲通し(採点), C曲耳コピ, ハミング(10分) | B曲88点(安定性↑) | C曲のリズムが難しい。B曲は安定してきた!響きを意識。 |
5/11 (日) | 20分 | C曲リズム練習(アプリ使用), 早口言葉練習 | アプリLevel 5クリア | リズムアプリ楽しい。滑舌練習も続けよう。 |
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Visualize(ビジュアライズ)しよう!~成長を目で見て楽しむ~
記録したデータを使って、自分の成長を「見える化」すると、さらにモチベーションが上がります。
- 例えば、カラオケの点数の変化を簡単な折れ線グラフにしてみる。
- ロングブレスで息が続くようになった秒数をグラフにしてみる。
- 練習した時間をカレンダーに色塗りしてみる。
自分の成長がグラフなどで目に見えると、「お、上がってる!」「こんなに練習したんだ!」と実感でき、達成感が得られやすくなりますよ。
明確な目標を設定し、日々の練習とその成果を記録していくこと。これは、あなたの歌の上達をナビゲートしてくれる「羅針盤」であり、練習を続けるための「ガソリン」にもなります。「記録」と聞くと面倒に感じるかもしれませんが、まずは簡単なメモからでも大丈夫。ぜひ、あなたの成長の足跡を残しながら、楽しく練習を続けていってくださいね!
これで第5章「もっと上を目指すために!」は終わりです。応用的な練習やモチベーション維持のヒントは掴めましたか? 次はいよいよ最終章!夢の100点獲得に向けた総仕上げです!