02-01: 音の高さってなあに?~ドレミの階段をのぼろう~
音感トレーニングの最初のステップは、まず「pitch(ピッチ:音の高さ)」というものをしっかり理解することです。「そんなの知ってるよ!」と思うかもしれませんが、意外と奥が深いんですよ。でも、安心してください。ここでは中学生にもわかるように、身近なものに例えながら、楽しく解説していきます!
「高い音」と「低い音」
私たちの周りには、たくさんの音があふれていますね。例えば、救急車のサイレンの「ピーポーピーポー」という音。この「ピー」と「ポー」は、明らかに音の高さが違いますよね。「ピー」が高い音で、「ポー」が低い音です。他にも、小鳥のさえずりは高く、大きな船の汽笛は低い、といった具合に、音には「高さ」があります。
この音の高さは、実は「frequency(フリークエンシー:周波数)」というもので決まります。音が空気中を伝わるとき、空気は波のように振動します。この波が1秒間に何回振動するかを表すのが周波数で、単位はHertz(ヘルツ、記号はHz)です。
- 周波数が高い(振動数が多い)ほど、音は高く聞こえます。
- 周波数が低い(振動数が少ない)ほど、音は低く聞こえます。
難しく考えなくても大丈夫!「音には高いのと低いのがあるんだな」という感覚がまずは大切です。
ドレミファソラシド:おなじみの音の階段
「ドレミファソラシド」は、誰もが一度は聞いたことのある、音の高さの「階段」のようなものです。低い「ド」から始まって、順番に少しずつ音が高くなっていき、次の高い「ド」にたどり着きますね。この、低い「ド」から次の高い「ド」までの一つのまとまりを「1octave(オクターブ)」と言います。
ピアノの鍵盤を見ると、この音の高さの関係がとてもよく分かります。
ピアノには白い鍵盤(white keys:ホワイト・キーズ、白鍵(はっけん))と黒い鍵盤(black keys:ブラック・キーズ、黒鍵(こっけん))があります。
- 白鍵:主に「ドレミファソラシ」の音を出します。
- 黒鍵:白鍵と白鍵の間の、さらに細かい音の高さ(半音といいます。「ド#(シャープ)」や「レ♭(フラット)」など)を出します。今は「そんなのもあるんだな」くらいで大丈夫です。
「ド」の音は、黒鍵が2つ並んでいるところのすぐ左下の白鍵です。そこから右に順番に「レ」「ミ」「ファ」「ソ」「ラ」「シ」と並び、次の「ド」へと続いていきます。
さわって音の高さを確認!インタラクティブピアノ
下のピアノの鍵盤をclick(クリック)またはtap(タップ)してみてください。音が出て、その音の名前が表示されます。実際に音を出しながら、音の高さが順番に変わっていくのを感じてみましょう!
音の高さを意識してみよう
日常生活の中でも、色々な音の高さに耳を澄ませてみましょう。
- 人の声(男性は低め、女性や子供は高めなど)
- 動物の鳴き声(犬の「ワン!」にも高い声と低い声がありますね)
- 楽器の音(バイオリンは高い音、コントラバスは低い音など)
そして、歌を歌うときには、メロディーの音が上がっているのか、下がっているのか、それとも同じ高さなのかを意識することがとても大切です。この「音の上がり下がりを感じる感覚」が、音程良く歌うための基礎になります。
このページで「音の高さ」というものに少し親しめたでしょうか?次のページでは、実際に音を聴いて、その音に合わせて声を出すトレーニングをしていきますよ!