01-01: なぜ録音が大切なの?~自分の声を知る第一歩~
「えっ、自分の歌を録音するの?なんだか恥ずかしいなぁ…」と思う人もいるかもしれませんね。でも、カラオケが上手になりたいなら、自分の歌声をrecord(レコード:録音する)して聴くことは、とーっても大切な練習なんです。
どうして録音がそんなに重要なのでしょうか?それにはいくつかの理由があります。
自分が聞いている声と、人が聞いているあなたの声は違う!
まず知っておいてほしいのは、あなたが普段聞いている自分の声と、周りの人が聞いているあなたの声、そしてマイクを通してスピーカーから出る声は、少し違って聞こえるということです。
私たちが自分の声を「聞いている」とき、実は2種類の音を聞いています。
- Air conduction(エア・コンダクション:空気伝導)の音: 口から出た声が、空気の振動として耳に届く音。これは他の人が聞いているあなたの声と同じです。
- Bone conduction(ボーン・コンダクション:骨伝導)の音: 声帯の振動が、頭蓋骨などを通して直接内耳に伝わる音。これは自分自身にしか聞こえない音です。
普段、私たちはこの2つが混ざった音を「自分の声」として認識しています。骨伝導の音は、特に低い音が響いて聞こえやすいため、録音した自分の声(空気伝導の音だけ)を初めて聞くと、「なんだか自分の声じゃないみたい」「キンキンして聞こえる」と感じることが多いのです。
カラオケで人が聞くのは、マイクが拾った空気伝導の音。だから、録音した声こそが、他の人に聞こえているあなたの歌声に近い、objective(オブジェクティブ:客観的)な声なのです。
録音で自分の歌を「客観的」にチェック!
歌っている最中は、メロディーを追いかけたり、歌詞を覚えたり、リズムに乗ったりと、たくさんのことに意識が向いています。そのため、自分の歌の細かい部分まで正確に把握するのは難しいものです。
録音した歌声を聴くことで、まるで他人の歌を聴くように、冷静に自分の歌を評価できます。すると、
- 「あれ、ここのpitch(ピッチ:音程)がちょっと低いな」
- 「思ったよりrhythm(リズム)がズレてる…」
- 「息継ぎの場所が不自然かも?」
- 「声が震えてる部分があるな」
など、歌っているときには気づかなかった長所や短所、クセを発見できるのです。これが上達への大きなヒントになります。
成長の記録にもなる!
練習を始めたばかりの頃の歌声を録音しておくと、数週間後、数ヶ月後に聞き返したときに、自分の成長を実感できます。「前はこんな風に歌ってたんだ!少しは上手になったかな?」と確認できると、練習のmotivation(モチベーション:やる気)もアップしますよね。
録音するときの心構え
初めて自分の録音した歌声を聴くと、多くの人がショックを受けるかもしれません。「これが本当に私の声…?」と。でも、大丈夫!それは、ほとんどの人が通る道です。
大切なのは、そこで落ち込んでしまうのではなく、「ここがスタートラインなんだ!」と前向きに捉えること。そして、自分の歌を批判するのではなく、「どこをどうすればもっと良くなるかな?」とanalyze(アナライズ:分析する)する材料として活用することです。
最初は少し勇気がいるかもしれませんが、録音はあなたの歌を確実にレベルアップさせてくれる最高の味方です。ぜひ、この後のページを参考に、気軽に録音にチャレンジしてみてくださいね!