ウルトラ先生の確率教室

第2章 確率の計算 ~「起こりやすさ」を数字で表す~

2-3: サイコロ投げの確率Probability

コイン投げの次は、もう一つの代表的な確率の例である「サイコロ投げ」について見ていこう!もちろん、ここで使うサイコロは、どの面も同じように出やすい、ゆがみのない「公正なサイコロFair Die」だと考えるよ。

1個のサイコロを投げる場合

まず、1個の公正なサイコロを1回投げる試行trialを考えてみよう。

いくつかの事象eventの確率を計算してみよう。

例題1:1の目が出る確率

1の目が出るのは1通り。全体の根元事象は6通り。

$P(1\text{の目}) = \frac{1}{6}$

例題2:偶数の目が出る確率

偶数の目 (2, 4, 6) が出るのは3通り。全体の根元事象は6通り。

$P(\text{偶数の目}) = \frac{3}{6} = \frac{1}{2}$

例題3:3以上の目が出る確率

3以上の目 (3, 4, 5, 6) が出るのは4通り。全体の根元事象は6通り。

$P(\text{3以上の目}) = \frac{4}{6} = \frac{2}{3}$

2個のサイコロを同時に投げる場合

次に、2個の公正なサイコロ(例えば、大きいサイコロと小さいサイコロ、または色が違うサイコロなど、区別できるもの)を同時に投げる場合を考えてみよう。(1個のサイコロを2回続けて投げる場合も同じように考えられるよ。)

このとき、起こりうるすべての根元事象は、(大きいサイコロの目, 小さいサイコロの目) の組で考えると、$6 \times 6 = 36$ 通りあるんだ。そして、これら36通りの根元事象はすべて同様に確からしい。

この36通りを表にすると分かりやすいよ。下の図を見てみよう!

(縦軸:大サイコロの目, 横軸:小サイコロの目)

例題4:出る目の和が7になる確率

2個のサイコロの出る目の和が7になるのはどんな場合かな?上の表で探してみよう!

(1,6), (2,5), (3,4), (4,3), (5,2), (6,1) の6通りだね。(表では斜めに並んでいるのがわかるかな?)

全体の根元事象は36通りだから…

$P(\text{和が7}) = \frac{6}{36} = \frac{1}{6}$

例題5:出る目の和が10以上になる確率

和が10以上になる場合を数えよう。

  • 和が10になるのは: (4,6), (5,5), (6,4) の3通り。
  • 和が11になるのは: (5,6), (6,5) の2通り。
  • 和が12になるのは: (6,6) の1通り。

合計すると、$3+2+1 = 6$ 通りだね。

$P(\text{和が10以上}) = \frac{6}{36} = \frac{1}{6}$

例題6:2個とも同じ目が出る(ゾロ目)確率

ゾロ目になるのは、(1,1), (2,2), (3,3), (4,4), (5,5), (6,6) の6通り。

$P(\text{ゾロ目}) = \frac{6}{36} = \frac{1}{6}$

例題7:少なくとも一方のサイコロが1の目である確率

「少なくとも一方」と聞いたら、数え間違いに注意だよ!

  • 大きいサイコロが1の目:(1,1), (1,2), (1,3), (1,4), (1,5), (1,6) の6通り。
  • 小さいサイコロが1の目:(1,1), (2,1), (3,1), (4,1), (5,1), (6,1) の6通り。

あれ? (1,1) が2回出てきたね。このように重複して数えないように気をつけるんだ。 だから、該当するのは $6 (\text{大が1}) + 6 (\text{小が1}) - 1 (\text{両方1の重複}) = 11$ 通りとなる。

または、表を使って直接数え上げると、(1,1)から(1,6)までの行と、(1,1)から(6,1)までの列のマスを考え、重複する(1,1)を引けばいいので、やはり11通りだね。

$P(\text{少なくとも一方が1の目}) = \frac{11}{36}$

(ちなみに、これは「両方とも1の目ではない」という場合の反対(余事象)だから、$1 - P(\text{両方とも1以外}) = 1 - \frac{5 \times 5}{36} = 1 - \frac{25}{36} = \frac{11}{36}$ とも計算できるよ。)

確率の計算のコツ:2個のサイコロは区別しよう!

2個のサイコロを投げる問題を考えるとき、たとえ見た目が同じサイコロでも、心の中では「Aのサイコロ」「Bのサイコロ」のように区別して考えるのが大切だよ。

例えば、「目の和が3」になるのは、(A=1, B=2) と (A=2, B=1) の2通りだね。もしサイコロを区別しないで「1と2が出た」とだけ考えると、この2通りを1通りと間違えて数えてしまうかもしれない。

36通りの根元事象が「同様に確からしい」と言えるのは、2つのサイコロを区別(または投げる順番を区別)しているからなんだ。この点をしっかり押さえておこう!

サイコロ投げの確率も、場合の数を正確に数え上げることができればバッチリだね!

→ サイコロ投げシミュレーターで確率を体験!

このページで出てきたEnglish wordsとその仲間たち

英単語 (English) 意味 (Meaning) 例文 (Example Sentence) 例文の読み上げ 例文の日本語訳
Dice (plural), Die (singular) サイコロ We need two dice to play the game. / Roll the die. ▶ 再生 そのゲームをするにはサイコロが2つ必要です。 / サイコロを振って。
Roll (サイコロを)振る Let's roll the dice to see who goes first. ▶ 再生 誰が最初に行くかサイコロを振って決めよう。
Sum 和、合計 What is the probability that the sum of the two dice is 7? ▶ 再生 2つのサイコロの目の和が7になる確率はどれくらいですか?
Outcome 結果 There are 36 possible outcomes when rolling two dice. ▶ 再生 2つのサイコロを振ると、36通りのありうる結果があります。
Face (of a die) (サイコロの)面、目 Each face of a fair die has an equal chance of landing up. ▶ 再生 公正なサイコロの各面が上に来る確率は等しいです。
Distinguishable 区別できる Assume the two dice are distinguishable. ▶ 再生 2つのサイコロは区別できると仮定します。