古文対策問題 048(枕草子「雪のいと高う降りたるを」)
【本文】
雪のいと高う降りたるを、童(わらは)、走り来て、「これを」とて、さし出だしたる、いとをかし。
殿上の御遊びに、雪の玉など作りたるも、またをかし。
【現代語訳】
雪がとても高く積もっているときに、子どもが走ってきて、「これを」と言って差し出したのが、とても趣深い。
殿上でのお遊びで、雪の玉などを作ったのも、これまた面白かった。
【覚えておきたい知識】
文学史・古文常識:
- 作者:清少納言。平安時代中期の女流随筆家。
- 作品:『枕草子』。四季の風物や宮中の生活を生き生きと描く。
- 殿上:宮中の御殿の上階。高貴な人々の遊びの場。
重要古語・語句:
- いと高う降りたる:とても高く積もった。
- わらは:子ども。
- いとをかし:とても趣深い、面白い。
- 御遊び:遊びごと、行事。
【設問】
【問1】「いとをかし」と清少納言が感じた場面として正しいものを一つ選べ。
- 子どもが雪を差し出した様子
- 雪が溶けて消えた様子
- 雪の日に外で遊ばなかったこと
- 大人が雪を掃除している姿
- 雪で道がふさがったこと
【問1 正解と解説】
正解:1
「わらは、走り来て、『これを』とて、さし出だしたる、いとをかし」とあり、子どもの無邪気さを「趣深い」と感じている。
【問2】「殿上の御遊び」とはどのような意味か、一つ選べ。
- 宮中で行われる遊びや行事
- 野原で遊ぶこと
- 家族で雪かきをすること
- 市場で買い物をすること
- 寺で修行すること
【問2 正解と解説】
正解:1
「殿上」は宮中の御殿の上階で、貴族たちが遊びや行事を楽しんだ場所を指す。
【問3】この段落のような枕草子の記述の特徴として最もふさわしいものを一つ選べ。
- 日常の小さな出来事を趣深く描いている
- 戦いの記録を中心にしている
- 農業の方法を説明している
- 恋愛の悲しみだけを描いている
- 家族の歴史を物語る
【問3 正解と解説】
正解:1
枕草子は、日常のささやかなできごとを「をかし(趣深い)」と感じる感性で生き生きと描写しているのが特徴。