古文対策問題 039(枕草子「うれしきもの」)
【本文】
うれしきもの。主人の心にかなひて、ほめらるる。物などもらふ。思ひがけず、たより来る。旅のをりに、知れる人に逢ふ。長く離れたりし人の、音信あるも、うれし。
【現代語訳】
うれしいもの。主人の気に入ってほめられること。物をもらうこと。思いがけず手紙などの便りが来ること。旅先で知り合いに出会うこと。長く会っていなかった人から連絡があるのも、うれしいものである。
【覚えておきたい知識】
文学史・古文常識:
- 作者:清少納言。平安時代中期の女流随筆家。
- 作品:『枕草子』。日常の感情を巧みに言葉にする随筆。
重要古語・語句:
- 心にかなひて:気に入られて。
- たより:手紙や便り。
- 旅のをり:旅の途中。
- 知れる人:知っている人、知人。
- 音信(おとづれ):便り、連絡。
【設問】
【問1】清少納言が「うれしきもの」として挙げていないものを一つ選べ。
- 主人にほめられること
- 物をもらうこと
- 思いがけず手紙が来ること
- 旅先で知り合いに会うこと
- 友人と一緒に遊ぶこと
【問1 正解と解説】
正解:5
本文には「友人と一緒に遊ぶこと」は挙げられていない。他はすべて本文の内容である。
【問2】「思ひがけず、たより来る」ことの意味として最も適切なものを一つ選べ。
- 予想せず手紙などが届くこと
- 突然食べ物が送られてくること
- 知らない人が訪ねてくること
- 旅先で雨が降ること
- 主人に叱られること
【問2 正解と解説】
正解:1
「たより」は手紙・便り。「思いがけず、たより来る」は予想せずに手紙などが届くことをいう。
【問3】枕草子の「うれしきもの」リストの特徴としてふさわしいものを一つ選べ。
- 日常のささやかな喜びを生き生きと描いている
- 政治や戦いの出来事ばかりを記す
- 恋愛のみをテーマにしている
- 宗教的奇跡を扱う
- 家族関係だけを描く
【問3 正解と解説】
正解:1
日常生活の小さな幸せをみずみずしく表現している点が、このリストの特徴である。