ウルトラ先生のエスペラント語教室

第1章 第7節: 「わたし」「あなた」はどう言う?~人称代名詞をマスター~

「人称代名詞」って、会話の背番号!

みんな、サッカーや野球の試合で、選手が背番号をつけているのを見たことがあるよね?「10番の選手がシュート!」みたいに、名前の代わりに番号で呼ぶことがある。人称代名詞(にんしょうだいめいし)も、ちょっとそれに似ているんだ。

人称代名詞は、「私」「あなた」「彼」「彼女」「それ」みたいに、人や物を指し示す言葉の代わりをする言葉のこと。いちいち「太郎くんはね、花子さんはね、その犬はね…」って言う代わりに、「彼はね、彼女はね、それはね…」って言えるから、会話がスッキリするんだ。

エスペラント語の人称代名詞は、とっても数が少なくて覚えやすいから、すぐにマスターできるよ!

エスペラントの人称代名詞たち、全員集合!

さあ、エスペラント語の人称代名詞を紹介するよ。表にまとめてみたから、見てみよう!

種類 エスペラント語 読み方 (例) 日本語の意味 音声
単数 (一人・一つ) mi 私 (I)
vi ヴィ あなた (you - 一人の場合)
li
ŝi
ĝi


彼 (he)
彼女 (she)
それ (it - 物、動物、性別不明の赤ちゃんなど)
複数 (二人・二つ以上) ni 私たち (we)
vi ヴィ あなたたち (you - 複数の場合)
ili イリ 彼ら、彼女ら、それら (they - 人にも物にも使える)

注目ポイント!

  • vi の万能さ!: vi は「あなた」と「あなたたち」の両方の意味で使えるんだ。しかも、日本語の「あなた」みたいに目上の人に使いにくいとか、英語の "you" みたいに親しい間柄と改まった間柄で区別があるとか、そういうのが一切ない!誰に対しても、何人に対しても vi でOK!これは本当に便利だよ!
  • ĝiili: ĝi は単数の「それ」で、主に物や動物、性別がはっきりしないものを指すよ。ili は複数の「彼ら」「彼女ら」「それら」で、人も物も両方指せるんだ。
  • シンプル!: たったこれだけ!英語や他の言葉と比べても、覚える数が少なくてシンプルでしょう?

人称代名詞を使ってみよう! ("esti" と一緒に)

前のページで習った動詞 estas と一緒に使って、例文を見てみよう!

単数の例

Mi estas Taro.

私はタローです。

Vi estas amiko.

あなたは友達です。

Li estas instruisto.

彼は先生です。

Ŝi estas feliĉa. (シ エスタス フェリーチャ。)

彼女は幸福です。

(feliĉa は「幸福な」という形容詞だったね!)

Ĝi estas libro.

それは本です。

複数の例

Ni estas familio. (ニ エスタス ファミリーオ。)

私たちは家族です。

(familio は「家族」という名詞だよ。)

Vi estas bonaj amikoj. (ヴィ エスタス ボーナイ アミーコイ。)

あなたたちは良い友達です。

おっと!bonajamikoj の最後に -j がついているね!これは「複数(たくさんあること)」を表す印なんだ。名詞も形容詞も、複数のときは -j をつけるのがルールだよ。これもA2レベルで詳しく勉強するから、今は「ふーん、そんなのもあるんだ」でOK!

Ili estas domoj. (イリ エスタス ドーモイ。)

それらは家です。

(ここでも domoj に複数の -j がついているね!)

覚えるのが楽ちん! ~心理学的なメリット~

エスペラントの人称代名詞は、数が少なくて、vi のように一つの単語が複数の役割をこなしてくれるから、覚えるのがとっても楽なんだ。特に、他の外国語で代名詞の複雑な変化(例えば、ドイツ語の格変化とか、フランス語の親称・敬称の使い分けとか)で苦労した経験がある人にとっては、「なんて簡単なんだ!」って感動するかもしれないね。

こういうシンプルなルールは、学習の初期段階で「私にもできる!」という成功体験を与えてくれるんだ。そして、その「できた!」という喜びが、次のステップへ進むための大きなエネルギーになる。だから、エスペラントは楽しく続けやすい言葉なんだね!