ページ87 `It ... to do` 構文の応用

`It pays to...`, `It occurred to me to...` などを使いこなす

A Life Philosophy (人生哲学)

My grandmother taught me many things. She said, "It pays to be honest in the long run." She also believed that it costs nothing to be kind to others. It never occurred to her to complain about her hardships. For her, it mattered little what to eat, but it mattered a lot who to eat with.

It pays to be honest in the long run.
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前からチャンク理解

"It pays..." (それは利益になる…)
→ "...to be honest..." (正直でいることは)

ネイティブの感覚

`It pays to do`で「〜するのは得だ、割に合う」。`pay`は「支払う」だけでなく、「利益をもたらす」という意味もあります。形式主語`It`を使い、「正直でいること」が長い目で見れば自分に「利益として報われる」という感覚です。金銭的な利益だけでなく、良い結果につながる、という意味で広く使われます。

It costs nothing to be kind to others.
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"It costs nothing..." (それには何の費用もかからない…)
→ "...to be kind to others." (他人に親切にすることは)

ネイティブの感覚

`It costs ... to do`で「〜するには…の費用がかかる」。`It takes time to do`と似た構文です。「他人に親切にする」という行為に向かう(→)ために必要な「費用(cost)」が「ゼロ(nothing)」だ、という感覚です。「お金もかからないのだから、親切にしよう」という教訓的なニュアンスで使われます。

It never occurred to her to complain about her hardships.
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"It never occurred to her..." (彼女の心には決して浮かばなかった…)
→ "...to complain about her hardships." (自分の困難について不平を言うことが)

ネイティブの感覚

`It occurs to someone to do`で「(人)が〜することを思いつく」。`occur`は「起こる」なので、「不平を言う」という考えが、彼女の心の中に「起こらなかった」というイメージです。「〜しようという考えが全くなかった」という、その人の人格や考え方を表すのに使われます。

It mattered little what to eat.
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"It mattered little..." (それはほとんど重要ではなかった…)
→ "...what to eat." (何食べるべきかということは)

ネイティブの感覚

`It matters ...`で「〜は重要だ」。`matter`は「重要である」という動詞です。`what to eat`(何を食べるべきか)という名詞句全体が、文の真の主語になっています。「何を食べるかということは、ほとんど重要ではなかった」という、価値観を示す表現です。