なぜパフォーマンスが大切なの?
- ユーザー体験: ページがサクサク動くと、使っていて気持ちがいい!逆に遅いとイライラして、サイトから離れてしまうかも (離脱率アップ)。
- コンバージョン率: オンラインショップなどでは、ページの表示速度が売り上げに直接影響することもあるんだ。
- SEO (検索エンジン最適化): Googleなどの検索エンジンは、表示速度が速いサイトを高く評価する傾向があるよ。
つまり、パフォーマンスが良いことは、ユーザーにとっても、サイト運営者にとってもハッピーなんだ!
これまでの章で、ツールチップやモーダルウィンドウを作ったり、組み合わせたり、便利なライブラリを使ったりする方法を学んできたね。これで、君のウェブサイトは情報が分かりやすく、インタラクティブになったはずだ!
でも、ちょっと待って!どんなにカッコいい機能も、動きがカクカクしたり、表示されるまで時間がかかったりしたら、ユーザーはがっかりしてしまうよね。ウェブサイトの「パフォーマンス」、つまり「速さ」や「軽さ」も、見た目や機能と同じくらい、とっても大切なんだ。
このページでは、特にツールチップやモーダルのような動きのある部品を作る際に、どうすればパフォーマンスを良く保てるか、そのためのヒントをいくつか紹介するよ!
つまり、パフォーマンスが良いことは、ユーザーにとっても、サイト運営者にとってもハッピーなんだ!
ツールチップやモーダルで、パフォーマンスに影響が出やすいのは、主にJavaScriptの処理とCSSの描画だよ。それぞれについて、改善のヒントを見ていこう。
addEventListener
を設定すると、メモリをたくさん使ってしまうことがある。代わりに「イベント委譲 (Event Delegation)」を使ってみよう。これは、親要素(例えばリスト全体)にだけイベントリスナーを設定して、イベントが発生したのがどの要素か(event.target
)を見て処理を振り分けるテクニックだよ。効率が良くなることが多いんだ。
mousemove
イベントや、スクロール中に発生するscroll
イベントの処理は、あまりにも頻繁に実行されると重くなりがち。処理の実行回数を間引く「Debounce (デバウンス)」や「Throttle (スロットル)」というテクニックや、アニメーションならrequestAnimationFrame
を使うのが効果的だよ(ドラッグ可能モーダルの例で少し使ったね!)。removeEventListener
できちんと解除しよう。解除しないとメモリリーク(メモリの無駄遣い)の原因になることがあるよ。DocumentFragment
という一時的な入れ物を使うと、一回のDOM操作で済ませられて効率的だよ。width
, height
, top
, left
のようなプロパティを動かすと、ブラウザはページの「レイアウト計算」をやり直す必要があって、処理が重くなることがあるんだ(これをレイアウト変更、リフローなどと呼ぶよ)。transform
(translate
, scale
, rotate
) や opacity
(透明度) を使ったアニメーションは、レイアウト計算に影響を与えにくく、よりスムーズに動きやすい。モーダルの出現アニメーションなどで積極的に使ってみよう!will-change
プロパティもあるけど、これは使い方を間違えると逆効果になることもあるから、よく理解してから使おうね。div#main section.article > ul li:nth-child(odd) a
みたいなの)は、ブラウザがスタイルを適用する要素を探すのに時間がかかることがある。できるだけシンプルで分かりやすいセレクタを心がけよう。loading="lazy"
属性)も効果的だよ。自分の作ったウェブサイトがどれくらいの速さで表示されているか、どこで時間がかかっているかを知るには、ブラウザに搭載されている「開発者ツール」がとても役に立つよ。
特に、Google ChromeのDevToolsには、以下のような便利な機能があるんだ。
最初は難しく感じるかもしれないけど、これらのツールを使って自分のサイトのパフォーマンスを「見える化」することは、改善への第一歩だよ!
パフォーマンス最適化に関連する言葉だよ!
意味:パフォーマンス、性能、実行速度
Original: Improving website performance is crucial for user satisfaction and SEO.
意訳:ウェブサイトのパフォーマンスを向上させることは、ユーザー満足度とSEOにとって非常に重要です。
意味:最適化
Original: Code optimization involves making the code run faster and more efficiently.
意訳:コードの最適化には、コードをより速く、より効率的に実行できるようにすることが含まれます。
意味:イベント委譲
Original: Use event delegation to handle events on multiple child elements efficiently.
意訳:複数の子要素のイベントを効率的に処理するために、イベント委譲を使用します。
意味:デバウンス / スロットル(頻繁に発生するイベントの実行回数を制御するテクニック)
Original: Debounce or throttle scroll event handlers to improve performance.
意訳:パフォーマンスを向上させるために、スクロールイベントハンドラをデバウンスまたはスロットルします。
意味:遅延読み込み
Original: Lazy loading images can significantly speed up initial page load time.
意訳:画像の遅延読み込みは、初期ページの読み込み時間を大幅に短縮できます。
意味:レンダリング、描画(ブラウザがコードを解釈して画面に表示すること)
Original: Complex CSS can sometimes slow down the rendering process.
意訳:複雑なCSSは、レンダリングプロセスを遅くすることがあります。
意味:レイアウトスラッシング(JavaScriptでレイアウト情報の読み取りと書き込みを交互に行うことで、強制的な再計算が何度も発生し、パフォーマンスが低下する現象)
Original: Avoid layout thrashing by batching DOM reads and writes.
意訳:DOMの読み取りと書き込みをバッチ処理することで、レイアウトスラッシングを避けてください。
今回は、ウェブサイトのパフォーマンスを良く保つためのヒント、特にツールチップやモーダルを実装する際に気をつけたい点について学んだね。
パフォーマンスの改善は、一度やったら終わりではなく、ウェブサイトを作りながら常に意識していくことが大切だよ。今日学んだヒントを頭の片隅に置いて、これからも「速くて快適な」ウェブサイト作りを目指していこう!
さて、これで第4章「応用編」も完了だ!基本的なテクニックから応用、そして周辺知識まで幅広く学んできたね。次の第5章では、いよいよこれまでの知識を使って、実際に手を動かして練習する「実践トレーニング」に挑戦するよ!