指示詞で名詞を飾る

「この本」「そのペン」「あのビル」のように、モノを指し示す言葉が「指示詞」です。
英語の `this` / `that` と違い、スペイン語には3つの距離感があります。この使い分けができると、あなたの表現はぐっと豊かになります。鍵になるのは「話し手(自分)と聞き手(相手)からの距離」です!

3つの距離感をマスターしよう!

「これ・それ・あれ」の使い分けは、物理的な距離感で決まります。

👇レベル1:este (これ) - 話し手に近い

話し手(自分)の手が届く範囲にあるモノを指します。「手元のこれ」と覚えましょう。今あなたが持っているスマホや、目の前のPCがesteの世界です。

例文:Este libro es interesante. (この本は面白い。)

👉レベル2:ese (それ) - 聞き手に近い

自分からは少し遠いけれど、相手(聞き手)の近くにあるモノを指します。「相手のそばのそれ」と覚えましょう。カフェで向かいに座る友達のスマホがeseの世界です。

例文:Ese bolígrafo es tuyo? (そのボールペンは君の?)

👆レベル3:aquel (あれ) - 二人から遠い

話し手と聞き手の両方から遠く離れているモノを指します。「遠くのあれ」と覚えましょう。窓から見える遠くのビルや、空を飛ぶ飛行機がaquelの世界です。

例文:Aquella montaña es muy alta. (あの山はとても高い。)

指示詞の鉄則:モノの性・数に合わせる!

指示詞も、これまで学んだ形容詞などと同じです。指し示すモノの性別と数に合わせて、4つの形に変化します。

距離 男性・単数 女性・単数 男性・複数 女性・複数
これ (este) este esta estos estas
それ (ese) ese esa esos esas
あれ (aquel) aquel aquella aquellos aquellas

例文:Me gusta esta camisa. (私はこのシャツが気に入っています。)
例文:Prefiero esos zapatos. (私はそっちの靴の方がいいです。)
例文:Aquellas casas son nuevas. (あれらの家は新しいです。)

謎の中性形:esto, eso, aquello って何?

性別不明の「ナニカ」や「コト」を指す便利な言葉

「これ、それ、あれ」と指したいけど、そのモノの名前や性別が分からない時や、具体的なモノではなく抽象的な事柄・状況を指す時に、これらの中性形を使います。中性形は、性・数で変化しません。

使い方の例

  1. 名前の分からないモノを指して:
    ¿Qué es esto? (これって何?)
  2. 相手の発言や状況全体を受けて:
    A: "Mañana voy a España." (明日スペインに行くんだ。)
    B: "¡Eso es fantástico!" (それは素晴らしいね!)
  3. 昔の出来事を思い出して:
    Aquello fue un día inolvidable. (あれは忘れられない一日だった。)

指示詞のまとめ

この3つの距離感を意識するだけで、あなたのスペイン語はもっとネイティブに近づきます!