「ひとつの」を表す不定冠詞 "un" と "una"
名詞の性別によって形が変わる、スペイン語文法の第一歩です。
名詞の性別に寄り添う冠詞
英語では、数えられる名詞がひとつの場合、`a` や `an` を使いましたね。スペイン語にも同じ役割を持つ「不定冠詞」がありますが、ここが最初の重要なポイントです。不定冠詞は、後ろに来る名詞の性別によって形を変えます。
つまり、「ひとつの〜」と言いたいとき、その名詞が男性名詞か女性名詞かで、使う単語が変わるのです。
① 男性名詞には `un`
`libro` (本) や `chico` (少年) のように、男性名詞がひとつの場合は、その前に `un` を置きます。
② 女性名詞には `una`
`mesa` (机) や `chica` (少女) のように、女性名詞がひとつの場合は、その前に `una` を置きます。これが「性の一致」の基本です。
【重要例外】女性名詞でも `un` を使う場合
スペイン語には、発音のしやすさを優先するルールがあります。アクセントのある `a-` または `ha-` で始まる女性名詞の単数形の前では、`una` の代わりに `un` を使います。`una agua` だと `a` の音が続いて言いにくいためです。
💡 ただし、これらの単語が女性名詞であることに変わりはありません。複数形になれば `las aguas` となり、形容詞も `agua fría` (冷たい水) のように女性形を使います。
まとめ
単語を覚えるときに「男性か女性か」を意識することが、いかに重要か感じていただけたでしょうか。名詞の性別に合わせて `un` と `una` を自然に使い分けることが、美しいスペイン語への第一歩です。この「性の一致」の感覚に、少しずつ慣れていきましょう。