すべての名詞に「性」がある

スペイン語の最も大きな特徴の一つは、すべての名詞に「性 (género)」があることです。生物学的な性別とは関係なく、すべての名詞が「男性名詞」と「女性名詞」のどちらかに分類されます。

例えば、`libro` (本) は男性名詞、`mesa` (机) は女性名詞です。なぜかと聞かれても、「そういうものだから」としか言えません。これは、単語を覚えるときに一緒に覚えてしまうしかありません。

この「性」の区別が、冠詞 (`un/una`, `el/la`) や形容詞 (`rojo/roja`) の形を決める、非常に重要なルールなのです。

性の見分け方：まずは語尾に注目！

幸い、多くの場合、名詞の語尾を見ることで性別を推測することができます。

① `-o` で終わる単語は、ほぼ「男性名詞」

これが最も分かりやすいルールです。`-o` で終わっていたら、まずは男性名詞だと思って間違いありません。

💡 例外：`la mano` (手), `la foto` (写真), `la moto` (バイク) のように、`-o`で終わる女性名詞も少数ながら存在します。これらはよく使う単語なので、個別で覚えましょう。

② `-a` で終わる単語は、ほぼ「女性名詞」

`-o` の逆で、`-a` で終わる単語は、その多くが女性名詞です。

💡 例外：`el día` (日), `el mapa` (地図), `el sofá` (ソファ) のように、`-a`で終わる男性名詞も存在します。ギリシャ語由来の `-ma` や `-pa` で終わる単語 (`el problema`, `el tema`など) も男性名詞です。

③ その他の語尾を持つ名詞

`-o` や `-a` で終わらない名詞もたくさんあります。これらは個別に覚える必要がありますが、一定の傾向はあります。（今後のページで詳しく解説します）

• 男性名詞に多い語尾: `-or` (el motor), `-aje` (el viaje), `-l` (el hotel)
• 女性名詞に多い語尾: `-ción` (la lección), `-sión` (la televisión), `-dad` (la ciudad), `-tad` (la libertad)

まとめ

スペイン語を学ぶ旅は、まず単語の「性別」を意識することから始まります。単語を覚えるときは、必ず `el` や `la` といった冠詞とセットで声に出し、「男性か女性か」を体に染み込ませるようにしましょう。この地道な努力が、後々の学習を非常に楽にしてくれます。