「その人(モノ)の〜が…」という所有関係を表す、格調高い表現です。
4つ目の顔、「所有格」の関係代名詞
関係代名詞には、主格(〜が)、目的格(〜を)の他に、「〜の」という所有関係を表す「所有格」があります。その役割を担うのが `cuyo` です。英語の `whose` にあたりますが、使い方が全く異なるので注意が必要です。
使用頻度は高くありませんが、主に書き言葉やフォーマルな場で使われ、使いこなせると非常に知的な印象を与えます。
【最重要ルール】`cuyo` は「後ろの名詞」と性・数一致!
`cuyo` を使う上での最大にして唯一のポイントは、先行詞(前の名詞)ではなく、`cuyo` の直後に来る名詞の性・数に合わせて、`cuyo, cuya, cuyos, cuyas` と4つの形に変化することです。
`cuyo` は、英語の `whose` と違い、それ自体が「〜の」という意味を持つ形容詞のように振る舞います。「彼の本」が `su libro` となるように、「その作家の(彼の)本」が `un autor cuyo libro` となるイメージです。
`cuyo` の後ろの名詞が… | 形 | 例 |
---|---|---|
男性・単数 (`libro`) | cuyo | un autor cuyo libro... |
女性・単数 (`novela`) | cuya | una autora cuya novela... |
男性・複数 (`libros`) | cuyos | un autor cuyos libros... |
女性・複数 (`novelas`) | cuyas | una autora cuyas novelas... |
`cuyo` の使い方
`cuyo` は、先行詞が「人」でも「人以外」でも使うことができます。
まとめ
所有格の関係詞 `cuyo` は、少し上級者向けの表現です。まずは、`cuyo` を見たり聞いたりしたときに、①「〜の」という意味の所有関係を表していること、②直後の名詞と性・数が一致していること、の2点を認識できれば十分です。このルールは少し複雑ですが、非常にエレガントな表現方法の一つです。