譲歩の副詞節:「〜だけれども」と逆説を唱える
予想を裏切る展開を示し、文章に深みと意外性を与えるスパイスです。
「Aだけれども、Bだ」という逆説
「Aだから、Bだ」という素直な因果関係とは逆に、「Aという状況にもかかわらず、Bだ」という、予想外の結果や対立する事実を示すのが「譲歩」の表現です。`Es rico, pero no es feliz.` (彼はお金持ちだが、幸せではない) のような逆説を、より洗練された形で表現する方法を学びます。
① 副詞節を作る `aunque`
「〜だけれども」「たとえ〜だとしても」という意味を表す、最も重要な譲歩の接続詞が `aunque` です。
💡 `aunque` の面白いところは、後ろの節で「直説法」を使うか「接続法」を使うかでニュアンスが変わることです。
`aunque` + 直説法 → 「〜だけれども(事実)」
話し手が「事実」だと認識していることを述べるときに使います。
`aunque` + 接続法 → 「たとえ〜だとしても(仮定・未定)」
まだ起きていないことや、仮定の話について述べるときに使います。
②「句」で譲歩を表す `a pesar de`
`aunque` がうしろに「文 (S+V)」を続けるのに対し、`a pesar de` はうしろに「名詞句」または「不定詞」を続けます。英語の `in spite of` / `despite` に相当します。
まとめ
逆説を表現するには `aunque` が基本です。その際、それが「事実」なのか「仮定」なのかを意識して、直説法と接続法を使い分けるのが上級者への道です。また、後ろに名詞が続く場合は `a pesar de` を使う、という区別も非常に重要です。