条件の副詞節:「もし〜なら」と仮定する
物事が起こるための「条件」を設定し、論理的な思考を表現します。
「もし…」という仮定の話
これまでは主に「事実」に基づく副詞句を学んできました。ここからは、「もし〜という状況だったら、…という結果になるだろう」という、仮定の話、つまり「条件」を設定する方法を学びます。これは、論理的な文章や日常会話での交渉・提案に不可欠な部品です。
① 条件節の王様 `si`
「もし〜なら」という条件を表す、最も基本的で最もよく使われる接続詞が `si` です。`si` が導く節(条件節)と、その結果どうなるかを示す節(主節または帰結節)から構成されます。
💡 注意! 接続詞の `si` (もし) にはアクセントがつきません。副詞の `sí` (はい) とは全くの別物です。
現実的な条件:「もし〜なら、…する」
「明日晴れたら、ピクニックに行く」のように、これから起こりうる、十分に現実的な条件について話す場合、動詞は直説法(私たちが今まで学んできた普通の活用)を使います。
非現実な条件:「もし〜だったら、…だろうに」
ここでも「接続法」が登場します。「もし私がお金持ちだったら(→実際は違うけど)」のように、現在の事実とは異なる、非現実な仮定について話す場合、`si` 節の中の動詞は接続法過去という特別な形になります。そして、主節の動詞も過去未来形という特別な形になります。
💡 接続法の詳しい活用は「動詞」の章で学びます。今はまず、「現実的か、非現実的かで、動詞の形がガラリと変わるんだな」という大きな違いを理解することが重要です。
② その他の条件を表す表現
`si` 以外にも、条件を表す便利な表現があります。
- como: 「もし(万が一)〜したら(大変なことになるぞ)」という、警告や脅しのニュアンスで使われます。動詞は接続法になります。
- con tal de que: 「〜さえすれば」。それが唯一の条件であることを強調します。動詞は接続法になります。
まとめ
条件節は、それが「現実的」か「非現実的」かによって、動詞の活用(直説法か接続法か)が大きく変わる、非常に重要な分野です。まずは現実的な条件を表す `si` + 直説法の使い方をしっかりマスターしましょう。