第23回:接続法のトリガー① 〜願望・感情が心の世界を創る〜

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第23回:接続法のトリガー① 〜願望・感情が心の世界を創る〜

¡Hola de nuevo! (オラ デ ヌエボ! またこんにちは!)

前回は、話し手の心の中を表現する「接続法」の扉を開け、その「形」を学びましたね。今回は、いよいよ「どんな時に接続法を使うのか」を具体的に見ていきます。接続法は、特定の動詞や表現が「鍵(トリガー)」となって使われます。今回は、その中でも代表的な「願望・依頼」と「感情」という2つのトリガーをマスターしましょう!

トリガー①:「願望・依頼・命令・許可」

「〜してほしい」「〜することを望む」「〜するよう頼む」といった、相手への願望や働きかけを表す動詞が主節に来るとき、queに続く従属節の動詞は接続法になります。

querer que... (〜してほしい), esperar que... (〜を望む), pedir que... (〜を頼む), necesitar que... (〜する必要がある) など。

最重要ルール:主語が変わるときに接続法!

この構文は、主節の主語(望む人)と、従属節の主語(行動する人)が違う場合にのみ使われます。

  • 主語が同じ:Yo quiero viajar a España. (私はスペインへ旅行したい。 → 不定詞)
  • 主語が違う:Yo quiero que tú viajes a España. (私は君にスペインへ旅行してほしい。 → 接続法)

Espero que te recuperes pronto. (君が早く回復することを望んでいます。)

El profesor nos pide que estudiemos más. (先生は私たちにもっと勉強するように頼みます。)

トリガー②:「感情」

「〜で嬉しい」「〜で残念だ」「〜なのは驚きだ」といった、話し手の感情を表す表現も接続法のトリガーになります。

alegrarse de que... (〜で嬉しい), sentir que... (〜で残念だ), ser una pena que... (〜は残念だ), sorprender que... (〜に驚く) など。

Me alegro de que hayas venido. (君が来てくれて嬉しいよ。)

Es una lástima que no tengamos más tiempo. (私たちにもっと時間がないのは残念なことです。)

最強の願望表現:`Ojalá (que)`

「どうか〜でありますように!」という強い願望を表すOjalá(オハラ)は、常に接続法を伴います。神への祈りに由来する言葉です。

¡Ojalá haga buen tiempo mañana! (明日、どうか晴れますように!)


今回のまとめ

接続法が使われる具体的な場面が、少し見えてきましたね。

  1. 「願望・依頼」を表す動詞は、que以下の接続法のトリガーになる(主語が違う場合)。
  2. 「感情」を表す表現も、que以下の接続法のトリガーになる。
  3. 強い願望を表す`Ojalá`は常に接続法とセット。

主節の動詞や表現が「心の中」を表すとき、それに続く`que`節が現実に確定していない「心の中の出来事」になる、というイメージです。

次回は、「疑い」や「客観的な評価」といった、また別のトリガーを見ていきましょう。

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