第25回:文法の地図を完成させよう 〜重要ポイント総復習〜
Здравствуйте!
ここまで、ロシア語の文法という広大な世界を旅してきました。今回は新しい項目を学ぶのではなく、一度立ち止まり、私たちが手に入れた「文法の地図」の最重要ポイントを再確認する総復習の回です。点と点だった知識が線となり、そして面となっていく感覚を、ここで確かに掴みましょう。この地図があれば、今後のロシア語の旅も迷うことはありません。
骨格①:格変化の役割
ロシア語は、単語の語尾を変えることで文の中での役割を示す「屈折語」です。6つの格がそれぞれどんな役割を持っていたか、思い出しましょう。
6つの格の核心イメージ
格 | 主な役割 | 一言イメージ |
---|---|---|
主格 | 〜は、〜が | 文の主役 |
生格 | 〜の、〜がない | 所有と欠如 |
与格 | 〜に | 対象・受取人 |
対格 | 〜を | 動作の直接の目的 |
造格 | 〜で、〜と | 道具と仲間 |
前置格 | 〜で、〜について | 場所とテーマ |
骨格②:動詞のアスペクト(体)
ロシア語動詞の核心は、不完了体と完了体の使い分けにあります。
アスペクトの比較
不完了体 (プロセス・継続・反復)
Вчера я читал книгу. (昨日、私は本を読んでいた。)
Я буду читать книгу. (私は本を読むつもりだ(読むという行為をする)。)
完了体 (完了・結果・一回きり)
Вчера я прочитал книгу. (昨日、私は本を読み終えた。)
Я прочитаю книгу. (私は本を読み終えるだろう。)
骨格③:移動の動詞
「行く」という動作も、その性質によって動詞を使い分けました。
移動の動詞の比較
定向動詞 (→ 一方向へ)
Я иду в школу. (私は(今)学校へ向かって歩いている。)
不定向動詞 (⇔, ぐるぐる 往復・習慣)
Я хожу в школу каждый день. (私は毎日学校へ通っている。)
骨格④:名詞と形容詞は一心同体
形容詞は、それが説明する名詞の性・数・格に、常に形を合わせる「お供」のような存在でした。
Это новый дом. (これは新しい家だ。) - 主格
Я живу в новом доме. (私は新しい家の中に住んでいる。) - 前置格
У меня нет нового дома. (私には新しい家がない。) - 生格
今回のまとめ
これらの4つの大きな柱が、あなたのロシア語の知識を支える土台となります。それぞれのルールが、実際の文の中でどのように機能しているかを感じ取ることが、今後の上達の鍵となります。
次回、いよいよこのサイトの最終回です。この完成した地図を手に、これからの冒険へ出発する準備をしましょう。