第29回:「〜したい!」を極める 〜動詞хотетьとアスペクト〜

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第29回:「〜したい!」を極める 〜動詞`хотеть`とアスペクト〜

Здравствуйте!

自分の願望を伝える「〜したい」という表現は、会話の基本中の基本です。今回は、その中心となる動詞 хотеть (ハチェーチ) を徹底的に学びます。この動詞は活用が少し不規則で、さらに「何をしたいのか」のニュアンスによって、後ろに続く動詞のアスペクト(不完了体/完了体)を使い分ける必要があります。これまでの知識の総復習にもなる、重要な回です。

`хотеть` の不規則活用

動詞 хотеть は、単数形と複数形で活用パターンが変わる「混合変化動詞」です。

`хотеть` (〜したい、欲する) の活用

主語活用形
Я (私)хочу (ハチュー)
Ты (君)хочешь (ホーチェシ)
Он/Она (彼/彼女)хочет (ホーチェト)
Мы (私たち)хотим (ハチーム)
Вы (あなた)хотите (ハチーチェ)
Они (彼ら)хотят (ハチャット)

アスペクトによるニュアンスの違い

`хотеть` の後ろに動詞の原形を続けることで「〜することがしたい」と言えますが、その動詞のアスペクトによって意味合いが変わります。

`хотеть` + 不完了体:「プロセス」がしたい

動作そのものや、継続的・反復的な行為をしたい、という一般的な願望を表します。

不完了体を伴う例文

Я хочу говорить по-русски. (私はロシア語を話したい。) - 話すという行為・能力がほしい

Летом я хочу много отдыхать. (夏にはたくさん休みたい。) - 休むというプロセスを望んでいる

Они не хотят работать. (彼らは働きたくない。)

`хотеть` + 完了体:「結果」がほしい

特定の一回きりの行為を完了させたい、という具体的な結果を伴う願望を表します。

完了体を伴う例文

Я хочу прочитать эту книгу. (私はこの本を読み終えたい。) - 読み終えるという結果がほしい

Мы хотим купить новую машину. (私たちは新しい車を買いたい。) - 買うという一回きりの行為

Хочешь посмотреть этот фильм? (この映画を(一回)観たい?)


今回のまとめ

  1. `хотеть` は単数と複数で活用パターンが変わる不規則動詞。
  2. `хотеть + 不完了体` は、一般的な願望やプロセスの希求を表す。
  3. `хотеть + 完了体` は、具体的な一回きりの行為の完了を望むことを表す。

「旅行がしたい」(`хочу путешествовать`) と「このチケットを買いたい」(`хочу купить этот билет`) の違いを意識することで、あなたのロシア語はよりネイティブの感覚に近づきます。

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