第30回:入門編・総まとめ 〜ロシア語文法の地図を手に〜
Поздравляю! Вы молодец!
(パズドラヴリャーユ! ヴィ マラヂェーツ! おめでとう!あなたは素晴らしい!)
この第30回までたどり着いたあなたは、ロシア語という広大で奥深い世界の、基本的なルールが描かれた「文法の地図」を手に入れました。これは、入門レベルを卒業し、さらに先の冒険へ進むための、何よりの財産となるでしょう。
この回では、新しい文法は学びません。私たちが共に歩んだ「入門編」の道のりを振り返り、手にした地図の重要ポイントを再確認することで、これから始まる「中級編」への準備を整えましょう。
あなたが手にした「入門編の地図」〜3つの核心〜
あなたが学んだ数多くのルールは、突き詰めればロシア語を形作る3つの大きな柱に集約されます。
① 格変化という「羅針盤」
ロシア語の単語は、文の中での役割(「〜が」「〜の」「〜に」…)に応じて語尾を変えます。この6つの格変化こそが、語順が比較的自由なロシア語において、文の意味を正確に示す「羅針盤」の役割を果たします。
② アスペクトという「双眼鏡」
動詞が「不完了体(プロセス重視)」と「完了体(結果重視)」のペアを持つアスペクトの概念。これにより、ロシア語話者は、出来事を「継続している途中」として見るか、「完了した結果」として見るか、二つの視点(双眼鏡)で世界を捉えます。
③ 移動の動詞という「乗り物」
単に「行く」のではなく、「一方向へ歩いて行く(идти)」のか、「習慣的に通う(ходить)」のか。移動の状況に応じて「乗り物」を乗り換えるように動詞を使い分けることで、情景を鮮やかに描写できます。
中級編に向けて
この入門編の地図を手に、あなたはロシア語の基本的な文を読み、聞き、そして作ることができるようになりました。素晴らしい成果です。
次回から始まる中級編では、この地図をさらに詳細なものにしていきます。「動詞から生まれる形容詞(形動詞)」など、よりロシア語らしい、表現力豊かな文法を学ぶことで、新聞記事を読んだり、映画を字幕なしで楽しんだりという、新たな目標が見えてくるはずです。
これまでの学習で培った基礎があれば、何も恐れることはありません。自信を持って、次のステップへ進みましょう!