第28回:文を修飾する言葉 〜関係代名詞`который`の基本〜
Здравствуйте!
今回は、2つの文を1つに繋ぎ、より詳しく名詞を説明するための便利な言葉、「関係代名詞」を学びます。中心となるのは который (カトールィ) という単語で、英語の who や which, that にあたります。「これは本です」と「私はその本を読みました」を繋げて、「これは私が読んだ本です」のように表現できます。ルールは少し複雑ですが、ロシア語の文法知識の集大成となります。
`который` の基本ルール
который には、2つの重要なルールがあります。
- который の性・数は、それが説明する前の名詞(先行詞)に一致します。
- который の格は、それが導く後ろの文の中での役割(主語なのか目的語なのか)によって決まります。
`который` が主語になる場合(主格)
後ろの文の中で「〜が」という主語の役割を果たす場合です。先行詞の性・数に合わせた主格の形を使います。
例文で主格の`который`を比較しよう
Вот человек, который говорит по-японски. (ここに日本語を話す人がいます。) - 先行詞 `человек` (男) → `который`
Вот девушка, которая работает здесь. (ここにここで働いている女性がいます。) - 先行詞 `девушка` (女) → `которая`
Вот здание, которое строят сейчас. (これが今建てられている建物です。) - 先行詞 `здание` (中) → `которое`
Вот студенты, которые учатся в Москве. (この人たちがモスクワで学んでいる学生です。) - 先行詞 `студенты` (複) → `которые`
`который` が目的語になる場合(対格)
後ろの文の中で「〜を」という目的語の役割を果たす場合です。先行詞の性・数に合わせつつ、対格に変化させます。
例文で対格の`который`を比較しよう
Вот книга, которую я читаю. (これが私が読んでいる本です。) - 先行詞`книга`(女)の対格 → `которую`
Вот фильм, который мы смотрели вчера. (これが私たちが昨日観た映画です。) - 先行詞`фильм`(男・不活動体)の対格 → `который` (主格と同じ)
Вот письмо, которое она написала. (これが彼女が書いた手紙です。) - 先行詞`письмо`(中)の対格 → `которое` (主格と同じ)
今回のまとめ
関係代名詞которыйは、ロシア語の格変化のルールを総動員する、文法の集大成です。
- 先行詞の性・数に形を合わせる。
- 後ろの文の中での役割によって格変化する。
まずは、主格と対格での使い方に慣れるところから始めましょう。これができれば、表現できる文の複雑さが格段に上がります。