第17回:形容詞を使いこなす 〜形容詞の格変化(前置格・生格)〜
Здравствуйте!
第11回で、形容詞が名詞の性・数に合わせて形を変えることを学びましたね。今回はさらに一歩進んで、ロシア語の形容詞が、それが説明する名詞と「一心同体」で格変化する様子を見ていきます。形容詞の格変化はロシア語学習の大きな山ですが、全ての格を一度に覚えるのは大変です。まずは、前置詞とセットで使われることが多く、意味を掴みやすい「前置格」と、使用頻度が非常に高い「生格」に絞ってマスターしましょう。
形容詞の【前置格】
「〜の中で」「〜の上で」など、前置詞 `в` や `на` の後で使われる前置格です。形容詞の語尾は以下のようになります。
- 男性・中性 → -ом
- 女性 → -ой
例文で形容詞の前置格変化を比較しよう
主格: Это новый дом. (これは新しい家です。)
前置格: Я живу в новом доме. (私は新しい家の中に住んでいます。)
`в` + `новый` (男) → `новом` / `дом` (男) → `доме`
主格: Это красивая улица. (これは美しい通りです。)
前置格: Ресторан находится на красивой улице. (レストランは美しい通りにあります。)
`на` + `красивая` (女) → `красивой` / `улица` (女) → `улице`
形容詞の【生格】
「〜の」という所有や、「〜がない」という否定存在で使われる生格です。形容詞の語尾は以下のようになります。
- 男性・中性 → -ого (発音は「-ovo」のように聞こえます)
- 女性 → -ой (前置格と同じ形!)
例文で形容詞の生格変化を比較しよう
所有の表現:
Это дом моего хорошего друга. (これは私の良い友達の家です。)
`мой`→`моего`, `хороший`→`хорошего`, `друг`→`друга`
否定存在の表現 (`нет`の後):
У меня есть новая машина. (私は新しい車を持っています。)
У меня нет новой машины. (私は新しい車を持っていません。)
`нет` + `новая` (女) → `новой` / `машина` (女) → `машины`
Здесь нет ничего интересного. (ここには何も面白いものがありません。)
`нет` + `интересное` (中) → `интересного`
今回のまとめ
- 形容詞は、それが修飾する名詞と一緒に、同じ「格」に変化する。
- 形容詞の前置格は `-ом` (男・中), `-ой` (女) が基本。
- 形容詞の生格は `-ого` (男・中), `-ой` (女) が基本。
語尾の形は多いですが、「名詞と形容詞は常に一心同体」というルールを意識することが、ロシア語の格変化をマスターする鍵です。