第8回:「〜で」書く、「〜と」話す 〜道具と仲間を表す造格〜
Здравствуйте!
今回は、ロシア語の6つの格の最後の1つ、「造格(ぞうかく)」を学びます。その名の通り、「ペンで書く」のように何かを造るための「道具」を表したり、「友達と話す」のように一緒に行動する「仲間」を表したりする、非常に便利な格です。これで、ロシア語の基本的な格変化は一通りマスターしたことになります!
造格の作り方(単数名詞)
名詞が「〜で」「〜と」といった意味になるとき、語尾が以下のように変化します。
- 男性名詞 (子音語尾) → 語尾に -ом を付ける。
- 中性名詞 (語尾-о) → 語尾の `о` を -ом に変える。
- 女性名詞 (語尾-а) → 語尾の `а` を -ой に変える。
例文で格変化を比較しよう
Это карандаш. (これは鉛筆です。) → Я пишу карандашом. (私は鉛筆で書きます。) - `карандаш` (男) → `карандашом`
Это ручка. (これはペンです。) → Я пишу ручкой. (私はペンで書きます。) - `ручка` (女) → `ручкой`
造格の使い方①:道具・手段「〜で」
「〜を使って」という、動作の道具や手段を表します。この場合、前置詞は使いません。
例文で道具の表現を比較しよう
Я ем суп ложкой. (私はスプーンでスープを食べます。)
Он режет хлеб ножом. (彼はナイフでパンを切ります。)
造格の使い方②:共同行為者「〜と」
前置詞 с (ス) と一緒に使うことで、「〜と一緒に」という意味を表します。
例文で仲間の表現を比較しよう
Я говорю с другом. (私は男友達と話します。)
Я говорю с подругой. (私は女友達と話します。)
Я пью кофе с молоком. (私はミルク入りのコーヒーを飲みます。)
造格の使い方③:職業・身分「〜として」
быть (〜である) や работать (働く) といった動詞と共に使い、「〜として」の役割を示します。
例文で職業の表現を比較しよう
Мой отец работает врачом. (私の父は医者として働いています。)
Она хочет быть актрисой. (彼女は女優になりたがっています。)
今回のまとめ
- 造格は「道具・手段」「共同行為者」「職業・身分」などを表す。
- 男性・中性名詞は`-ом`、女性名詞は`-ой`に語尾が変化するのが基本。
- 「〜と」と言うときは、前置詞 `с` とセットで使う。