実践編 :読んでみよう!① 〜短い物語と文法解説〜
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文法のルールを一つずつ学ぶのも大切ですが、実際の文章の中でそれらがどのように機能しているかを見ることで、知識はより深く、立体的なものになります。この実践編では、短いロシア語のテキストを読み解き、文法構造を分析する練習をします。今回は、有名なロシアの民話「おおきなかぶ」の冒頭部分を読んでみましょう。
テキスト:Репка (レプカ / かぶ)
読んでみよう
Посадил (1) дед (2) репку. Выросла (3) репка большая-пребольшая (4). Стал (5) дед репку из земли тащить. Тянет-потянет, вытянуть не может (6). Позвал (7) дед бабку.
文法解説
(1) Посадил (パサヂール)
посадить (植える)という完了体動詞の過去形・男性。物語の冒頭で「おじいさんがかぶを植えた」という一回きりの完了した出来事を表しているので、完了体が使われています。
(2) дед (ヂェート)
「おじいさん」を意味する男性名詞。この文の主語なので主格です。
(3) Выросла (ヴィーラスラ)
вырасти (育つ)という完了体動詞の過去形・女性。主語である `репка` (かぶ/女性名詞) の性に合わせて、語尾が `-ла` になっています。「大きく育った」という結果を表すため、完了体です。
(4) большая-пребольшая (バリシャーヤ プリバリシャーヤ)
большая (大きい)という女性形の形容詞を、接頭辞 `пре-` を付けて繰り返すことで「とてつもなく大きい」という強調を表しています。
(5) Стал (スタール)
стать (〜になる、〜し始める)という完了体動詞の過去形・男性。「おじいさんはかぶを引き抜き始めた」という、新しい動作の開始を示します。
(6) вытянуть не может (ヴィーチャヌチ ニェ モージェト)
「引き抜くことができない」。вытянуть は完了体動詞の原形です。мочь (できる) のような助動詞の後では、動詞は原形になります。
(7) Позвал (パズヴァール)
позвать (呼ぶ)という完了体動詞の過去形・男性。「おばあさんを呼んだ」という一回きりの行為を表します。
今回のまとめ
短い文章の中にも、アスペクトの使い分け、動詞の性の一致、形容詞の強調表現など、これまで学んだ多くのルールが詰まっていることがわかります。このように、実際のテキストを読むことは、文法知識を定着させる最高の練習になります。