評論文対策問題 098(本文1000字・選択肢10個+英訳)
本文(抜粋)
「自分を変えたい」
そう思ったとき、何か大きな決断をしなければならない気がする。
環境を変える、仕事を辞める、新しい目標を立てる——
だが実際のところ、私たちを形づくるのは、そのような特別な一歩よりも、
毎日繰り返している“ちいさな選択”の積み重ねなのではないだろうか。
朝起きて何をするか。時間ができたとき何を見るか。
その一つ一つはささやかでも、それが一週間、ひと月、半年と積み重なれば、
それはもはや「習慣」と呼べるものになる。
そして習慣とは、私たちの感情や思考の流れを静かに方向づけていく力をもっている。
無意識のうちに選び続けているものが、やがて“自分らしさ”になるのだとすれば、
私たちの本当の選択とは、「日々、何を繰り返すか」にあるのかもしれない。
【問題】
筆者の主張に最も合致するものを選べ。
- 自分を変えるには、人生の大きな決断が不可欠である。
- 変化は突発的に訪れるもので、習慣とは無関係である。
- 日々の選択は小さすぎて、自分に影響を与えることはない。
- 習慣よりも、一度きりの行動が人間を形成する。
- 毎日繰り返すことの積み重ねが、自分をつくっていく。
- 自分らしさは、生まれつき決まっているものである。
- 選択の連続は、自由を妨げる要因である。
- 習慣は感情や思考とは無関係な機械的な行為である。
- 変わりたいと思ったときは、まず今の習慣をすべて捨てるべきだ。
- 他人の習慣を真似ることが、もっとも自然な自己形成である。
【正解と解説】
正解:5
- 選択肢1:× 大きな決断より「日々の積み重ね」が重視されている。
- 選択肢2:× 習慣が変化の基盤になるとされる。
- 選択肢3:× 小さな選択でも「方向をつくる」とされている。
- 選択肢4:× 一度きりより「日常的な繰り返し」が重要とされる。
- 選択肢5:◎ 本文の中心主張。「何を繰り返すか」が自分を形づける。
- 選択肢6:× 生まれつきではなく「選び続けた結果」とされている。
- 選択肢7:× 選択こそが「自由の表現」として語られる。
- 選択肢8:× 感情や思考の「方向づけ」として機能すると明記される。
- 選択肢9:× 捨てるのではなく「何を続けるか」が問われている。
- 選択肢10:× 他人の模倣ではなく、自分の積み重ねが主眼である。
語句説明:
方向づけ:物事の進む方向を自然に決めていくこと。ここでは思考・感情・行動の傾向を指す。
【本文の英訳】
Big change feels dramatic. But it’s the quiet, daily choices that build us. What you repeat becomes what you are. Your habits whisper, then steer. Change begins not with a leap—but with a rhythm.