評論文対策問題 097(本文1000字・選択肢10個+英訳)
本文(抜粋)
他人の成功を見ると、なぜか心がざわつくことがある。
祝福したい気持ちと、置いていかれたような寂しさ。
そんなふうに感じてしまう自分に、がっかりしたことはないだろうか。
でもそれは、珍しい感情ではない。
他人の成功は、自分の“進んでいない部分”を照らし出す鏡のようなものだからだ。
けれど、そこに価値がないわけではない。
他人を羨むということは、そこに「自分もやってみたい」「本当は目指していた」何かが隠れていることが多い。
自分の心が揺れたとき、その内側にある欲求や願いに耳を澄ませてみる。
そうすれば、他人の成功は「比較の材料」ではなく、「自分の可能性のヒント」として見えてくるかもしれない。
他人の輝きに押しつぶされそうになったら、その光が何を照らしているのか、自分にとって何を意味しているのかを問い直す。
他人の成功をきっかけに、自分自身と対話する——それもまた、一つの前進の形なのではないだろうか。
【問題】
筆者の主張に最も合致するものを選べ。
- 他人の成功に心がざわつくのは、自己中心的な感情である。
- 成功した他人と自分を比べることは、意味がないのでやめるべきだ。
- 他人の成功は、自分の無力さを再確認する機会にすぎない。
- 嫉妬心は完全に排除しないと、人間関係が壊れてしまう。
- 他人の成功に焦るのは成長の妨げである。
- 他人の成功に対する感情から、自分の願いや可能性を見つめ直せる。
- 他人の輝きは、自分には一切関係のないものだ。
- 成功とは他者に勝つことであり、比較は避けられない。
- 他人の成功を見て落ち込むのは未熟な証拠である。
- 他人の成功は、常に素直に喜ばなければならない。
【正解と解説】
正解:6
- 選択肢1:× 自己中心的とはされず、「自然な感情」として受け入れられている。
- 選択肢2:× 比較ではなく「内省の材料」として活用できるとされている。
- 選択肢3:× 無力さではなく「可能性のヒント」と捉えることができると述べられている。
- 選択肢4:× 感情を否定せず、「耳を澄ませる」ことが推奨されている。
- 選択肢5:× 焦りの中にも「願い」が含まれると肯定的に描写されている。
- 選択肢6:◎ 「心が揺れる=内なる欲求や願いの兆し」=本文の核心。
- 選択肢7:× 他人の輝きは「自分を照らすもの」でもあるとされている。
- 選択肢8:× 勝敗ではなく「自己対話」が重視されている。
- 選択肢9:× 落ち込むことも自然であり、そこから対話が始まるとされる。
- 選択肢10:× 喜べなくても、その感情から学べるとされている。
語句説明:
内省:自分の内面に目を向け、考え直すこと。本文では「他人を通じて自分を見る」ことと関係づけられている。
【本文の英訳】
Someone else succeeds—and we flinch. Maybe envy isn’t smallness, but signal. What do you see in their light? What dream did it remind you of? Their win might be your whisper: “That could be me.”