評論文対策問題 088(本文1000字・選択肢10個+英訳)
本文(抜粋)
「もっと自信を持てばいいのに」
そんな言葉をかけられて、かえって戸惑ったことのある人は少なくないだろう。
自信があるとは、迷いがなく、堂々としていて、いつも正しい判断ができる人だと思われがちだ。
しかし実際は、不安を感じない人などいない。
自信とは、そうした不安がまったくない状態ではなく、不安があっても動こうとする力のことなのかもしれない。
つまり、「迷ってもやってみる」「間違っても自分を嫌いにならない」ことが、自信の姿の一つなのだ。
むしろ「自分は自信がない」と自覚している人ほど、慎重に物事を考え、丁寧に選択を積み重ねようとする。
そうした姿勢こそが、静かな強さにつながっていくのではないだろうか。
表面的に堂々として見えるかどうかではなく、自分の内側で何を感じ、どう選び取るか。
自信とは「揺らぎがない状態」ではなく、「揺らぎを抱えながらも、自分で引き受けていこうとする意志」なのだと思う。
【問題】
筆者の主張に最も合致するものを選べ。
- 自信とは、常に正しい判断ができることを意味する。
- 不安のない状態だけが、本当の自信と言える。
- 自信のある人は、間違いを犯さない。
- 自信がない人は、挑戦すべきではない。
- 不安を感じながらも行動することに、自信の本質がある。
- 自信があるかどうかは、外見から明らかにわかる。
- 自信とは、他人に強く見せることに他ならない。
- 慎重な人は、自信がない証拠である。
- 迷いや揺らぎは、自信とは相容れない。
- 自信とは、結果が出たあとにしか持てないものだ。
【正解と解説】
正解:5
- 選択肢1:× 正確な判断より「引き受ける意志」が重視される。
- 選択肢2:× 不安があっても構わないというのが筆者の主張。
- 選択肢3:× 間違いを許すことも「自信」の一部とされる。
- 選択肢4:× 自信がなくても挑戦しようとする姿勢が肯定されている。
- 選択肢5:◎ 本文の核心。行動する力=自信の本質。
- 選択肢6:× 表面的な態度より「内側の感情」が重視される。
- 選択肢7:× 強く見せることではなく「内面の向き合い方」が重要。
- 選択肢8:× 慎重さが「静かな強さ」に通じると肯定的に語られる。
- 選択肢9:× 揺らぎと共にあることこそが自信とされる。
- 選択肢10:× 結果ではなく「選び取ろうとする姿勢」に価値がある。
語句説明:
引き受ける:自分の責任として受けとめること。ここでは「不安を持ったままでも進む覚悟」の意味。
【本文の英訳】
“Be more confident.” Sounds simple, but isn’t. Confidence isn’t the absence of fear. It’s moving forward while still afraid. Not flawless strength, but steady intention. To waver—and walk anyway—that is confidence.