評論文対策問題 072(本文1000字・選択肢10個+英訳)
本文(抜粋)
「自由でいたい」「自由が奪われた」という言葉は、日常の会話でもニュースでもよく耳にする。
多くの人が「自由」に価値を見出し、「制限されないこと」「縛られないこと」が自由であると考えている。
しかし、「何をしてもいい」という状態が本当に自由なのだろうか。
自分の行動が他者を傷つけたり、社会に悪影響を与えたりする場合、それは自由ではなく「勝手」なのかもしれない。
また、選択肢が多すぎて決められない、選んだ結果に責任を取ることが重く感じられる、というように、「自由」がかえって人を不安にすることもある。
「自由とは、自分の意思で選び、その結果を引き受けることだ」と言われるように、自由には責任が伴う。
さらに、他者との関係の中で、自分の「自由」を通そうとすれば、必然的に誰かの「自由」と衝突することもある。
そうしたとき、「互いの自由を尊重しながら、どこまで譲れるか」という交渉が必要になる。
自由とは「孤立した状態」ではなく、むしろ「他者と関係を結びながら、自分で決めていくプロセス」なのかもしれない。
「制限がないこと」ではなく、「他者と共にいる中で、なお選ぶこと」が、本当の意味での自由ではないだろうか。
【問題】
筆者の主張に最も合致するものを選べ。
- 自由とは、他人の干渉を完全に排除することである。
- 自由とは、何も選ばずに済む状態を指す。
- 自由であるためには、社会的ルールを無視してもよい。
- 自由とは、制限がない状態に置かれることが最優先である。
- 自由とは、選択肢が多いことによって自動的に生まれる。
- 自由とは、自己の選択に責任を持ち、他者との関係の中で成り立つ。
- 自由とは、できるだけ人と関わらずに暮らすことで得られる。
- 自由を実現するには、自分の意志を常に優先すべきである。
- 自由とは、失敗の責任を回避できる状態である。
- 自由の本質は、常に自分の利益を最大化することである。
【正解と解説】
正解:6
- 選択肢1:× 他者との関係性が自由の前提とされている。
- 選択肢2:× 「選ぶこと」が自由の本質とされている。
- 選択肢3:× 社会や他人への影響への配慮が求められている。
- 選択肢4:× 制限がないこと=自由とは限らないと明記されている。
- 選択肢5:× 選択肢が多いだけでは不安を生むとされる。
- 選択肢6:◎ 「責任」「他者との関係性」「プロセスとしての自由」=本文の主張。
- 選択肢7:× 孤立ではなく「関係の中での自由」が強調される。
- 選択肢8:× 一方的に通すことではなく、尊重と交渉が重視される。
- 選択肢9:× 結果を引き受ける責任こそが自由に含まれる。
- 選択肢10:× 自由の目的は利益最大化ではなく「選び取ること」。
語句説明:
干渉:他人の行動や意見に口出しして影響を与えること。
【本文の英訳】
People say, “I want to be free.” But is freedom just doing whatever you want? True freedom means choosing with awareness—and taking responsibility. In society, our freedom meets others' freedom. Real freedom isn’t about escaping others, but choosing while still connected. Not “no limits,” but “choosing within relationships”—that’s where freedom lives.