評論文対策問題 008(選択肢10個+高精度フェイク)
本文(抜粋)
科学的な思考は、物事を論理的に説明し、再現性のある形で理解することを目指す。
しかし、世界のすべてが論理だけで解き明かせるわけではない。芸術、宗教、あるいは日常の直感的な判断などは、理屈だけでは捉えきれない価値を持っている。
重要なのは、論理と非論理を対立させるのではなく、それぞれの領域が人間の営みにおいて果たしている役割を認識し、互いを補完する関係として捉えることだ。
【問題】
筆者の主張として最も適切なものを選べ。
- 論理的に説明できないものは、信頼に値しない。
- 芸術や宗教は科学の対象外であり、重要性は低い。
- すべての現象は、最終的には論理で説明可能である。
- 非論理的な直感や感情は、人間社会に混乱をもたらす。
- 論理と非論理は、対立関係にあるがバランスを保つべきである。
- 論理的説明に加え、非論理的な価値も認識する必要がある。
- 日常の意思決定においては、非論理的な感覚が有害である。
- 人間の営みには、論理に還元できない側面もある。
- 論理と非論理の関係は、対立ではなく相互補完である。
- 科学的思考は万能ではないが、最も信頼できる枠組みである。
【正解と解説】
正解:9
- 選択肢1:× 筆者は「論理だけでは解けないことがある」と述べており逆の立場。
- 選択肢2:× 芸術や宗教を軽視しておらず、「価値がある」と明言している。
- 選択肢3:× 「すべてが論理で解けるわけではない」と明記されている。
- 選択肢4:× 非論理を混乱の原因として描いていない。
- 選択肢5:△ 一見正しそうだが「対立関係」と明言しており、筆者はむしろ「対立させるな」と述べている。
- 選択肢6:△ 一部本文と一致するが、「補完関係」の視点が欠けており不十分。
- 選択肢7:× 非論理を「有害」とするのは筆者の主張と真逆。
- 選択肢8:△ 本文の言い換えとして近いが、補完的関係という主軸に届いていない。
- 選択肢9:◎ 「対立させず、互いを補完する関係」と明確に言い換えており、本文の核心に忠実。
- 選択肢10:× 筆者は科学を否定していないが、本文の主眼は「万能ではない」点より「共存」にある。
選択肢を見抜くテクニック:
- 正解は「2つのものを調和させる」視点にあることを意識
- 「対立」「有害」「万能」など、極端な語句に注意
- 本文の主張は「論理と非論理どちらが上か」ではなく、「どう共存させるか」である
語句説明:
補完:互いに不足する部分を補い合い、全体として調和すること。