評論文対策問題 007(選択肢10個)
本文(抜粋)
「効率」は現代において価値あるものとされているが、それがすべての判断基準となると、人間の営みは貧しくなる。
非効率に見えるものの中には、偶然の出会いや創造的な発見が潜んでおり、それが文化や人間性を支えてきた。
効率化によって得られる便利さの影で、私たちは知らぬ間に、時間をかけて築いてきたものを失っているかもしれない。
【問題】
筆者の「効率」に対する考えとして最も適切なものを選べ。
- 効率は、現代社会において絶対的に優先されるべき価値である。
- 効率的な手段を使えば、創造性もより促進される。
- 非効率な営みは、現代では無駄でしかない。
- 効率を追い求めすぎることで、人間らしさが損なわれる恐れがある。
- 便利さの獲得は、人間性の成熟と常に両立する。
- 非効率は合理性の対極であり、排除されるべきである。
- 創造性は効率的なプロセスの中から自然に生まれる。
- 効率化は偶然性や発見の可能性を減らすことがある。
- 効率を高めれば、無駄な出会いを避けて成果を上げられる。
- 非効率なものの中に、文化や人間性の源泉がある。
【正解と解説】
正解:10
- 選択肢1:× 筆者は効率が「すべての基準」になることに警鐘を鳴らしている。
- 選択肢2:× 効率と創造性の関係を肯定的に述べていない。むしろ「非効率」に価値を見出している。
- 選択肢3:× 「無駄」と切り捨てる立場は筆者と真逆。
- 選択肢4:△ 筆者の懸念に近いが、「創造性」「文化」など本文の要点をすべてカバーしていない。
- 選択肢5:× 「常に両立する」という断定は本文と合致しない。
- 選択肢6:× 「排除されるべき」とは逆の立場。
- 選択肢7:× 創造性はむしろ「非効率」の中にあると筆者は述べている。
- 選択肢8:△ 一部正しいが、「偶然の出会い」という要点が不足。
- 選択肢9:× 無駄を避ける効率主義の限界を本文は批判している。
- 選択肢10:◎ 「非効率」「文化」「人間性」という本文の中心要素すべてを含む。
選択肢を見抜くテクニック:
- 抽象語+具体例(例:「文化」「偶然の出会い」)が含まれているか
- 正解は少し地味でも、本文の言葉と最も多く一致する選択肢を選ぶ
- 極端な表現(「絶対」「常に」「排除すべき」)は避ける
語句説明:
非効率:成果に至るまでに時間や手間がかかる状態。だが、そのプロセスに人間らしさや創造性が宿ることもある。