評論文対策問題 005
本文(抜粋)
ルールや制度は、人々の自由を制限するものと見なされがちだが、実際には自由を保障するためにこそ存在する。
たとえば交通ルールがなければ、道路は混乱し、誰も安全に移動することができない。同様に、社会における規範や法律は、個人が安心して行動できる「枠組み」を提供するものだ。
つまり、自由とは「何でもできる状態」ではなく、「秩序の中で安心して選べる状態」なのである。
【問題】
筆者の自由に対する考えとして最も適切なものを選べ。
- 自由とは、誰からも干渉されずにすべての行動が許される状態である。
- 社会において真の自由を得るには、制度や法律を廃止するべきである。
- ルールは人間の自由を束縛するために存在している。
- 自由とは、秩序の中で安心して選べる状態を指す。
- 本来、自由と秩序は相反するものであり、共存は不可能である。
【正解と解説】
正解:4
- 選択肢1:× 本文は「何でもできる状態」ではないと明言している。
- 選択肢2:× 制度や法律の意義を本文は肯定している。
- 選択肢3:× 自由を保障するためにこそルールがある、という主張と矛盾。
- 選択肢4:◎ 「秩序の中で安心して選べる状態」は本文の言葉と一致。
- 選択肢5:× 「相反する」とは述べておらず、両立を前提にしている。
選択肢を見抜くテクニック:
- 本文中の定義語(「自由とは~である」)に注目
- 断定的表現(「すべて」「共存は不可能」など)を警戒
- 本文内の対比(「制限」vs「保障」)を意識する
語句説明:
秩序:物事が一定の規則やまとまりをもって整っている状態。社会生活における安定の基盤。