評論文対策問題 039(本文2倍・選択肢10個+英訳)

本文(抜粋)

人間の生活の多くは「習慣」によって成り立っている。
毎朝同じ時間に起き、同じ道を通り、同じような言葉で会話し、同じように振る舞う。
習慣は、思考や行動の負担を減らし、効率的に日々を過ごすうえで非常に役立つ。
だが一方で、習慣があまりに強くなると、「いつの間にか考えなくなる」ことが起きる。
本来は選べるはずの選択肢に気づかなくなり、異なる視点を拒むようにもなる。
たとえば、「こうあるべき」「ふつうはこうする」という言葉の背後には、過去に刷り込まれた無数の習慣が潜んでいる。
習慣そのものが悪いわけではない。問題は、それに無自覚なまま縛られてしまうことにある。
習慣を見つめ直すことは、自分自身の思考や価値観の「癖」を問い直すことでもある。
気づけば、今まで当然だと思っていたことが、実はただの「選択肢の一つ」にすぎなかったとわかるかもしれない。
そのとき、私たちはようやく「自分で選ぶ」という自由の入り口に立つのだ。

【問題】

筆者の主張に最も合致するものを選べ。

  1. 習慣は効率を生むものであり、思考の対象にはならない。
  2. 人間の行動はすべて習慣によって完全に決定されている。
  3. 習慣に頼る生活は望ましいため、なるべく意識しない方がよい。
  4. 多くの習慣は伝統に基づくため、見直す必要はない。
  5. 習慣は自動的な行動であり、自覚することに意味はない。
  6. 「ふつうはこう」という考えには、思考停止の危険がある。
  7. 習慣が根づくほど、自由な行動がしやすくなる。
  8. 習慣は全て否定すべきものであり、個人の自由を阻害する存在である。
  9. 習慣を無自覚に繰り返すことで、社会的安定が守られる。
  10. 習慣を見直すことで、選択の幅と自由の感覚が広がる。
【正解と解説】

正解:6(と10)

語句説明:
思考停止:物事を深く考えずに、既存の枠組みに従って行動してしまう状態。

レベル:共通テスト対策(長文+英訳)|更新:2025-07-23|問題番号:039


【本文の英訳】

Much of human life is governed by habit. We wake at the same time, take the same route, speak in similar ways, and behave predictably. Habits help us reduce the mental load and navigate daily life efficiently. But if they become too strong, we may stop thinking altogether. We might miss alternative choices or reject other perspectives. Phrases like “this is how it should be” or “this is normal” often reflect deep-seated, inherited habits. The issue isn't habit itself, but our lack of awareness about it. To question our habits is to question the patterns in our thinking and values. We may discover that what we took for granted was simply one option among many. In that moment, we stand at the threshold of true freedom—the freedom to choose consciously.