評論文対策問題 011(本文2倍・選択肢10個)

本文(抜粋)

テクノロジーの進化によって、私たちはかつて想像もできなかった規模で情報にアクセスできるようになった。
しかしその一方で、過剰な情報量が「知ること」の質を低下させているという指摘がある。
情報が瞬時に手に入る環境では、私たちは「調べたつもり」になりやすく、深い理解や批判的思考が置き去りにされることが多い。
また、SNSやニュースアプリが私たちに提供する情報は、アルゴリズムによって最適化されたものであり、私たちが本来「知るべきこと」ではなく「見たがるもの」「共感しやすいもの」に偏っている。
これにより、似た意見や価値観ばかりが可視化され、異なる視点に触れる機会が失われる「フィルターバブル」状態に陥る。
重要なのは、情報の量そのものよりも、それをどのように問い直し、吟味し、異質な視点とどう出会うかである。
情報リテラシーとは、ただ検索が上手いことではなく、自分の情報環境に対して自覚的であることなのだ。

【問題】

筆者の情報環境に関する主張として最も適切なものを選べ。

  1. 情報量が多ければ多いほど、知的活動は自然と豊かになる。
  2. 情報リテラシーとは、他者の意見を正しく暗記する能力である。
  3. 私たちは、SNSの登場によって価値観の多様性に日々さらされている。
  4. 情報の多さよりも、その情報をどう扱うかが問われている。
  5. フィルターバブルはむしろ安心感をもたらすため、積極的に利用すべきである。
  6. 調べたつもりになれることが、むしろ情報習得の第一歩である。
  7. 現代の情報環境では、深い理解や批判的視点が育ちやすい。
  8. 自分の興味に合う情報に絞って学ぶことが、効率のよいリテラシーである。
  9. 情報は常に客観的であり、アルゴリズムによる偏りは存在しない。
  10. 情報リテラシーとは、自分の情報環境を批判的に見つめる態度のことである。
【正解と解説】

正解:10

選択肢を見抜くテクニック:

語句説明:
フィルターバブル:個人の関心や検索履歴に基づいて情報が絞り込まれ、多様な意見に触れにくくなる状態。

レベル:共通テスト対策(長文対応)|更新:2025-07-23|問題番号:011