ドイツ語 入門編:形容詞の格変化② 〜不定冠詞の後(混合変化)〜

HOME 文法まとめ 前へ 次へ

入門編:形容詞の格変化② 〜不定冠詞の後(混合変化)〜

Guten Tag!

前回は、定冠詞の後の形容詞の格変化(弱変化)を学びました。冠詞が格のしるしをはっきり示してくれるので、形容詞の変化は最小限で済む、というルールでしたね。今回は、不定冠詞 (`ein`, `eine` など) の後に来る形容詞の変化です。これは、冠詞と形容詞が役割分担をする、少しトリッキーな「混合変化」となります。

混合変化のルール:「足りないしるしは形容詞が補う」

不定冠詞 ein は、いくつかの格で、性・格を示す「強い」語尾を持っていません。例えば、男性1格の `der` に対する `ein` や、中性1格の `das` に対する `ein` です。このような場合、後ろに来る形容詞が「僕が代わりにしるしを付けます!」と、強い語尾を肩代わりします。

一方で、`einen` (男性4格) や `einem` (男性・中性3格) のように、不定冠詞が既に強いしるしを持っている場合は、形容詞は前回の弱変化と同じく、弱い語尾 -en を取ります。

不定冠詞の後の形容詞の語尾

1格(主格)4格(対格)3格(与格)
男性-er-en-en
女性-e-e-en
中性-es-es-en

ポイント: 不定冠詞の語尾がない男性1格・中性1格・中性4格の3箇所だけ、形容詞が強い定冠詞の語尾 (`-er`, `-es`) を引き受け、それ以外は弱変化と似た形になります。

例文で格変化を体感しよう

男性名詞 `ein guter Freund` (一人の良い友人) を例に見てみましょう。

`ein guter Freund` の格変化

1格: Ein guter Freund hilft mir. (一人の良い友人が私を助けてくれる。) - `ein`に語尾がない → 形容詞が `-er`

4格: Ich habe einen guten Freund. (私には一人の良い友人がいる。) - `einen`に語尾がある → 形容詞は `-en`

3格: Ich spreche mit einem guten Freund. (私は一人の良い友人と話す。) - `einem`に語尾がある → 形容詞は `-en`

中性名詞 `ein kleines Kind` (一人の小さな子供) の場合:

1格: Ein kleines Kind spielt hier. (一人の小さな子供がここで遊んでいる。) - `ein`に語尾がない → 形容詞が `-es`

4格: Ich sehe ein kleines Kind. (私は一人の小さな子供を見る。) - `ein`に語尾がない → 形容詞が `-es`


今回のまとめ

混合変化は、冠詞と形容詞のチームワークです。

  1. 不定冠詞の後に来る形容詞は「混合変化」をする。
  2. 不定冠詞自体に性・格のしるしがない場合、形容詞がそのしるしを肩代わりする。
  3. 不定冠詞にしるしがある場合は、形容詞は弱い変化 (`-en`) をする。

次回は、形容詞格変化の最後のパターン「冠詞なし」の場合を学び、この大きな山を制覇します。

復習アプリ