入門編:形容詞の格変化③ 〜冠詞なし(強変化)と総まとめ〜
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今回は、ドイツ語文法最大の山場である「形容詞の格変化」の、最後のパターンを学びます。それは、前に冠詞が何もない場合の変化です。この場合、形容詞が冠詞の役割も兼ねるため、最も強く変化することから「強変化」と呼ばれます。そして最後に、これまで学んだ3つの変化(弱・混合・強)をまとめて、この大きな山を完全に制覇しましょう!
強変化のルール:「形容詞が冠詞の代わり!」
`Guter Wein` (良いワイン) のように、前に冠詞が付かない名詞(複数形や物質名詞など)に形容詞が付く場合、形容詞は性・数・格のしるしをすべて自分で示さなければなりません。そのため、その語尾は定冠詞 (`der`, `die`, `das`...) の語尾とほぼ同じになります。
形容詞の強変化語尾
1格(主格) | 4格(対格) | 3格(与格) | 2格(生格) | |
---|---|---|---|---|
男性 | -er | -en | -em | -en |
女性 | -e | -e | -er | -er |
中性 | -es | -es | -em | -en |
複数 | -e | -e | -en | -er |
※男性・中性の2格が生格の定冠詞`des`と違い`-en`になる点を除けば、ほぼ定冠詞の語尾と同じです。
例文で強変化を使ってみよう
Guter Wein ist teuer. (良いワインは高価だ。) - `Wein`(男)→`-er`
Ich trinke gern kaltes Wasser. (私は冷たい水が好きだ。) - `Wasser`(中)4格→`-es`
Er isst frische Brötchen. (彼は焼きたてのパン(複数)を食べる。) - `Brötchen`(複)4格→`-e`
形容詞格変化の総まとめ
お疲れ様でした!これで3つの格変化が全て出揃いました。どの変化を使うかは、「形容詞の前に、性・数・格をはっきり示す『強い』冠詞があるかどうか」で見分けられます。
- 定冠詞の後 (der, die, das...) → 冠詞が強い → 弱変化 (語尾は-eか-en)
- 不定冠詞の後 (ein, eine...) → 冠詞が弱い場合がある → 混合変化 (形容詞が語尾を補う)
- 冠詞なしの後 → 冠詞がない → 強変化 (形容詞が冠詞の代わりをする)
今回のまとめ
ドイツ語文法最大の山場、形容詞の格変化を制覇しました。これは非常に大きな成果です。最初は複雑に感じるかもしれませんが、この3つのパターンの存在を意識して文章を読む・聞くことで、徐々に感覚が身についていきます。このページのまとめ表を、いつでも参照できるようにしておきましょう。