中級編:物語の時制 〜過去基本形(Präteritum)〜
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前回は、日常会話で過去を表す「現在完了形」を学びました。今回は、もう一つの過去形である「過去基本形(Präteritum)」を学びます。この時制は、主に小説や新聞記事といった書き言葉で、過去の出来事を物語るように記述する際に使われます。形は現在完了形よりシンプルですが、`sein` や `haben`、話法の助動詞の過去基本形は、話し言葉でも頻繁に使われるため、非常に重要です。
最重要!`sein`, `haben`, 話法の助動詞の過去基本形
これらの動詞の過去基本形は、会話でもよく使われるので、最優先で覚えましょう。`ich` と `er/sie/es` の形が同じになるのが特徴です。
`sein` と `haben` の過去基本形活用
主語 | `sein` (〜だった) | `haben` (持っていた) |
---|---|---|
ich | war | hatte |
du | warst | hattest |
er/sie/es | war | hatte |
wir | waren | hatten |
ihr | wart | hattet |
sie/Sie | waren | hatten |
Ich war gestern krank. (私は昨日、病気でした。)
Wir hatten keine Zeit. (私たちには時間がありませんでした。)
Ich konnte gestern nicht kommen. (私は昨日、来ることができませんでした。) - `können`の過去基本形 `konnte`
規則動詞(弱変化動詞)の過去基本形
作り方は、動詞の語幹に接尾辞 -te- を付け、さらに人称語尾を付けます。
例: `machen` (作る) → 語幹 `mach-` → `machte-`
Ich machte die Hausaufgaben. (私は宿題をしました。)
Er lebte lange in Deutschland. (彼は長い間ドイツに住んでいました。)
不規則動詞(強変化動詞)の過去基本形
不規則動詞は、語幹の母音が変化します。これは動詞ごとに覚える必要があります。
例: `gehen` (行く) → ging, `kommen` (来る) → kam, `sprechen` (話す) → sprach
Wir gingen ins Museum. (私たちは博物館へ行きました。)
Er sprach langsam. (彼はゆっくりと話しました。)
今回のまとめ
- 過去基本形は、主に小説や報告といった書き言葉で使われる過去時制。
- `sein`, `haben`, 話法の助動詞の過去基本形 (`war`, `hatte`, `konnte`など) は、話し言葉でも頻繁に使われるので最重要。
会話では現在完了形、本を読むときは過去基本形、というように、場面に応じて時制を使い分ける意識を持つことが大切です。