入門編:「〜に」あげる・「〜に」とって 〜3格(与格)の使い方〜
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これまで、文の主語になる「1格」と、「〜を」という直接目的語になる「4格」を学びました。今回は、3つ目の格である「3格(与格)」をマスターします。これは、主に「〜に」と訳され、動作が向けられる相手(間接目的語)を表します。「私は彼に本をあげる」のような文が作れるようになり、表現の幅が大きく広がります。
3格の形
名詞の性・数によって、冠詞や人称代名詞が以下のように変化します。
冠詞と人称代名詞の3格変化
性 | 定冠詞 (1格→3格) | 人称代名詞 (1格→3格) |
---|---|---|
男性 | der → dem | ich → mir, du → dir, er → ihm |
女性 | die → der | sie → ihr |
中性 | das → dem | es → ihm |
複数 | die → den (...)-n | wir → uns, ihr → euch, sie/Sie → ihnen/Ihnen |
※複数の3格では、冠詞が`den`に、名詞の語尾に`-n`が付くのが特徴です。
3格の使い方
① 間接目的語「〜に」
geben (与える), schenken (贈る), zeigen (見せる) といった動詞と共に使われます。
例文
Ich gebe dem Mann das Buch. (私はその男性にその本をあげます。)
Er zeigt seiner Freundin die Fotos. (彼は彼の恋人にその写真を見せます。)
Kannst du mir bitte helfen? (どうか私を手伝ってくれますか?) - `helfen`(手伝う)は3格をとる動詞
② 特定の動詞の目的語
helfen (手伝う), danken (感謝する), gefallen (気に入る) などは、4格ではなく3格を目的語にとります。
Ich danke Ihnen. (あなたに感謝します。)
Das neue Auto gefällt mir sehr. (私はその新しい車がとても気に入っています。) - `gefallen`は主語がモノ、気に入った人が3格になる
③ 状態を表す「〜にとって」
挨拶の決まり文句で使われる、非常に重要な用法です。
Wie geht es Ihnen? (ご機嫌いかがですか?)
Es geht mir gut, danke. (元気です、ありがとう。)
今回のまとめ
- 3格(与格)は、主に「〜に」という間接的な対象を表す。
- 定冠詞は `dem`(男/中), `der`(女), `den`(複) に変化する。
- `helfen`, `danken`, `gefallen` など、3格を直接目的語にとる動詞がある。