入門編:離れたりくっついたり? 〜分離動詞のルール〜
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前回は、話法の助動詞が作る「枠構造」を学びました。実は、ドイツ語にはもう一つ、非常に頻繁に「枠構造」を作る動詞のグループがあります。それが、動詞が2つのパーツに「分離」する、「分離動詞」です。anrufen (電話する) や aufstehen (起きる) など、日常会話で欠かせない動詞の多くがこのグループに属します。ルールは一度覚えてしまえばシンプルです。
分離動詞とは?
分離動詞は、「前綴り + 動詞本体」で構成されています。例えば `an|rufen` の `an` が前綴り、`rufen` が動詞本体です。そして、平叙文や疑問文では、この2つが離ればなれになります。
枠構造のルール
分離動詞は、以下のような「枠構造」を作ります。
- 動詞本体が、定動詞として2番目の位置で活用します。
- 前綴りは、文の一番最後に置かれます。
例文で分離動詞の動きを比較しよう
`anrufen` (電話する) の例:
Ich rufe dich morgen an. (私は明日、君に電話をします。) - `rufen`が2番目で活用し、`an`が文末へ。
`aufstehen` (起きる) の例:
Er steht jeden Tag um sechs Uhr auf. (彼は毎日6時に起きます。)
`einkaufen` (買い物をする) の例:
Kaufen Sie heute ein? (あなたは今日、買い物をしますか?) - 疑問文でも`ein`は文末。
分離しない動詞(非分離動詞)
一方で、前綴りが付いていても分離しない動詞もあります。これらは「非分離動詞」と呼ばれ、be-, er-, ver-, zer- などの、アクセントが置かれない前綴りを持つのが特徴です。
分離動詞と非分離動詞の比較
分離動詞 (`an`にアクセント):
Ich rufe meine Oma an. (私は祖母に電話します。)
非分離動詞 (`be`にアクセントなし):
Ich besuche meine Oma. (私は祖母を訪ねます。) - `besuchen`は分離しない。
今回のまとめ
- 分離動詞は「前綴り」と「動詞本体」に分かれ、「枠構造」を作る。
- 動詞本体が2番目で活用し、前綴りは文末に置かれる。
- `be-`, `er-`, `ver-` などアクセントのない前綴りは分離しない。
前綴りにはそれぞれ意味があるため(例: `an`は接触、`auf`は開放)、これを覚えることが語彙を効率的に増やす鍵となります。