入門編:ドイツ語の心臓部! 〜語順のルールと疑問文・否定文〜
Guten Tag!
前回は、名詞の性と基本的な格変化を学びました。今回は、ドイツ語文法の最も重要で、最も厳格なルールである「語順」について学びます。特に、「活用する動詞は必ず2番目の位置に来る」というルールは、ドイツ語の文構造を理解する上での心臓部です。このルールさえマスターすれば、疑問文や否定文も簡単に作れるようになります。
最重要ルール:定動詞第2位の原則
ドイツ語の平叙文(普通の「〜です」「〜します」という文)では、主語に合わせて活用した動詞(=定動詞)は、必ず文の2番目の位置に置かれます。主語が1番目に来るとは限りません。文の1番目には、主語だけでなく、時や場所を表す言葉なども来ることができます。
例文で語順を比較しよう
主語が1番目の場合:
Ich lerne heute Deutsch. (私は今日ドイツ語を学びます。)
時を表す言葉が1番目の場合:
Heute lerne ich Deutsch. (今日、私はドイツ語を学びます。) - `ich`が動詞の後ろに移動!
場所を表す言葉が1番目の場合:
In Japan arbeitet mein Vater. (日本で、私の父は働いています。) - 動詞 `arbeitet` は常に2番目
疑問文の作り方
疑問文の語順は、この「動詞の位置」というルールから簡単に導き出せます。
Ja/Nein 疑問文 (はい/いいえで答える質問)
動詞を文の1番目に置くだけで完成です。
Lernst du Deutsch? (君はドイツ語を勉強していますか?)
Kommen Sie aus Japan? (あなたは日本のご出身ですか?)
W-疑問文 (疑問詞で始まる質問)
疑問詞(`Was` 何, `Wer` 誰, `Wo` どこ...)を1番目に置き、動詞はルール通り2番目に置きます。
Was lernen Sie? (あなたは何を勉強していますか?)
Wo wohnst du? (君はどこに住んでいますか?)
否定文の作り方 (`nicht`)
否定を表す nicht (ニヒト) の置き場所はいくつかありますが、基本は「動詞の後、または否定したい語句の直前」です。文全体を否定する場合は、文末に来ることが多くなります。
Ich lerne nicht. (私は勉強しません。)
Er kommt heute nicht. (彼は今日来ません。)
今回のまとめ
- 平叙文では、活用する動詞は必ず2番目の位置に来る(定動詞第2位)。
- Ja/Nein疑問文では、動詞が1番目に来る。
- W-疑問文では、疑問詞が1番目、動詞が2番目に来る。
この「動詞の位置」という骨格を意識することが、正しいドイツ語の文を作るための最も重要な鍵となります。