ドイツ語 入門編:名詞の性と冠詞 〜最初の格変化〜

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入門編:名詞の性と冠詞 〜最初の格変化〜

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前回は、基本動詞 `sein` を使って「AはBだ」という文を作りました。今回は、文の重要な要素である「名詞」に焦点を当てます。ドイツ語の名詞にはがあり、その性によって前に付く冠詞(英語の a や the)の形が変わります。そして、この冠詞の形が、文中での名詞の役割(「〜が」「〜を」など)を示す「格変化」の重要な鍵となります。

名詞の性と定冠詞 (der, die, das)

ドイツ語の全ての名詞は、男性・女性・中性のいずれかの性に分類されます。これは単語ごとに覚える必要があります。そして、「その〜」と特定する定冠詞は、名詞の性によって形が変わります。

最初の格変化:1格 (主格) と 4格 (対格)

ドイツ語には4つの格がありますが、まずは文の「主語」になる1格 (主格)と、「〜を」という直接目的語になる4格 (対格)をマスターしましょう。

ここで重要なのは、1格から4格に変化するとき、男性名詞の冠詞だけが形を変えるということです。

定冠詞の1格・4格変化

1格 (〜が)4格 (〜を)
男性derden (デン)
女性diedie (変化なし)
中性dasdas (変化なし)
複数diedie (変化なし)

例文で1格と4格を比較しよう

動詞 haben (ハーベン / 持っている) は、4格を目的語にとる代表的な動詞です。

例文

1格 (主語) の例:

Der Stuhl ist alt. (その椅子は古いです。)

Die Tasche ist neu. (そのカバンは新しいです。)

Das Auto ist schnell. (その車は速いです。)

4格 (目的語) の例:

Ich kaufe den Stuhl. (私はその椅子を買います。) - `der Stuhl` → `den Stuhl`

Ich kaufe die Tasche. (私はそのカバンを買います。) - `die Tasche` → 変化なし

Ich kaufe das Auto. (私はその車を買います。) - `das Auto` → 変化なし

「ひとつの〜」を意味する不定冠詞 (`ein, eine, ein`) も、男性4格では `einen` と変化します。

Ich habe einen Bruder. (私には一人の兄弟がいます。)


今回のまとめ

  1. ドイツ語の名詞には男性・女性・中性の性があり、定冠詞は`der, die, das`と変化する。
  2. 「〜を」にあたる4格では、男性名詞の冠詞だけが `der` → `den` に変化する。

まずは「男性4格は`den`!」としっかり覚えることが、ドイツ語の格変化を理解する大きな第一歩です。

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