中級編:「もしも」の話をしよう 〜接続法II式(仮定法)〜
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今回は、ドイツ語の表現に深みと丁寧さを与える「接続法II式(Konjunktiv II)」の世界に足を踏み入れます。これは、現実とは違う「もしも」の話(=仮定法)をしたり、「コーヒーをいただきたいのですが」のように丁寧な願望や依頼をしたりする際に使われる、非常に重要なムードです。英語の would や could に近い働きをします。
接続法II式の作り方①:`würde` + 不定詞 (万能な形)
現代ドイツ語で、特に話し言葉で仮定法を作る最も一般的な方法が、助動詞 würde を使う形です。これも枠構造になります。
作り方: 助動詞 `würde` が2番目の位置で活用し、もともとの動詞は文末に不定詞(原形)で置かれます。
`würde` の活用
ich würde, du würdest, er/sie/es würde, wir würden, ihr würdet, sie/Sie würden
例文
An deiner Stelle würde ich das nicht machen. (君の立場だったら、私ならそれをしないだろうに。)
Ohne dich würde ich das nicht schaffen. (君なしでは、私はそれを成し遂げられないだろう。)
接続法II式の作り方②:特別な形 (最重要動詞)
sein, haben や話法の助動詞は、`würde`を使わず、過去基本形から作られる特別な形をよく使います。これらは必須暗記項目です。
最重要動詞の接続法II式
原形 | 接続法II式 (ich/er/sie/es) | 意味 |
---|---|---|
sein (〜である) | wäre | 〜であるだろうに |
haben (持つ) | hätte | 〜を持つのに |
können (できる) | könnte | 〜できるのに |
müssen (〜すべき) | müsste | 〜すべきなのに |
dürfen (〜してよい) | dürfte | 〜してもよいだろうに |
接続法II式の使い方:丁寧な依頼・願望
これらの特別な形は、依頼や願望を非常に丁寧に、そして控えめに表現するのに最適です。
Ich hätte gern einen Kaffee. (コーヒーをいただきたいのですが。) - `Ich habe gern`よりずっと丁寧
Könnten Sie mir bitte helfen? (私を手伝っていただけますでしょうか?) - `Können Sie`よりずっと丁寧
Das wäre schön. (そうなれば素敵ですね。)
今回のまとめ
- 接続法II式は、「非現実の仮定」や「丁寧な依頼・願望」を表す。
- 一般的な動詞は `würde + 不定詞` の形で作る。
- `sein(wäre)`, `haben(hätte)`, 話法の助動詞(`könnte`など)は、特別な形を覚える必要がある。
次回は、この接続法II式を使って、「もし〜だったら、…なのに」という本格的な仮定文を作る練習をします。