第3回:格変化② 〜『〜の上で』と所有の表現〜

HOME 文法まとめ 前へ 次へ

第3回:格変化② 〜『〜の上で』と所有の表現〜

Moi taas! (モイ ターース! またね!)

前回は「〜の中で」を意味する内格 `-ssa/-ssä` を学びましたね。今回は、それと対になる「〜の上で」を表す格と、フィンランド語の「持っている」という表現をマスターします。この「持っている」の表現は、フィンランド語の非常にユニークで重要な構文なので、しっかり理解していきましょう!

場所格③ 外格 `-lla/-llä` (〜の上で)

「〜の上に」「〜の表面で」と、何かの"上"にある状態を表す格です。これももちろん母音調和に従います。

Kirja on pöydällä. (本が机の上にあります。)

Lasi on hyllyllä. (コップが棚の上にあります。)

また、この格は交通手段を表すときにも使われます。「〜で」「〜に乗って」という意味です。

Menen Helsinkiin junalla. (私は電車でヘルシンキへ行きます。)

場所格④ 奪格 `-lta/-ltä` (〜の上から)

「〜の上から」と、どこかの上からの移動を表す格です。

Otan kirjan pöydältä. (私は机の上から本を取ります。)

最重要! `olla` + `-lla/-llä` で「所有」を表す

フィンランド語には、英語の "have" のような所有を表す動詞がありません。代わりに、「(誰々)の上には、〜がある」という形で所有を表現します。これは絶対に覚えましょう。

所有の構文

人称代名詞の格変化形 + `on` + モノ

Minulla on auto. (私には車がある → 私は車を持っています。)

Sinulla on kaunis koti. (君には美しい家がある → 君は美しい家を持っているね。)

Hänellä on kissa. (彼/彼女には猫がいる → 彼は/彼女は猫を飼っている。)


今回のまとめ

場所を表す格と、ユニークな所有表現を学びました。

  1. 「〜の上で」は `-lla/-llä`、「〜の上から」は `-lta/-ltä`。交通手段にも使う。
  2. フィンランド語の「持っている」は `Minulla on ...` の形で表現する。

次回は、いよいよ `olla` 以外の一般動詞の活用と、フィンランド語のもう一つの大きな特徴「子音階程交替」の謎に迫ります!

復習アプリ