第2回:格変化の世界へ! 〜場所を表す『〜で』『〜から』〜
Moi! Jatketaan opiskelua! (モイ!ヤトケターン オピスケルア! やあ!勉強を続けよう!)
前回はフィンランド語の心臓部、「母音調和」を学びましたね。今回は、いよいよフィンランド語の最大の特徴である「格変化」の世界へ飛び込みます。これは、名詞の語尾を変化させて「〜で」「〜へ」「〜の」といった意味を加えるルールのこと。日本語の助詞「てにをは」を、単語にくっつけてしまうイメージです。まずは、一番わかりやすい「場所」を表す格から始めましょう!
場所格① 内格 `-ssa/-ssä` (〜の中で)
「〜の中に」「〜の中で」と、建物や国、都市などの内部にいることを表す格です。ここで前回の母音調和が早速活躍します。
- 後舌母音の単語 (`talo`, `Lontoo`) → 語尾は -ssa
- 前舌母音の単語 (`metsä`, `Helsinki`) → 語尾は -ssä
Auto on autotallissa. (車はガレージの中にあります。)
Asun Helsingissä. (私はヘルシンキに住んでいます。)
場所格② 出格 `-sta/-stä` (〜の中から)
「〜の中から」「〜から」と、どこかからの出発や由来を表す格です。これも母音調和に従います。
- 後舌母音の単語 (`talo`) → 語尾は -sta
- 前舌母音の単語 (`metsä`) → 語尾は -stä
Otan maidon jääkaapista. (私は冷蔵庫から牛乳を取ります。)
Hän on kotoisin Jyväskylästä. (彼はユヴァスキュラ出身です。)
質問してみよう!`Missä?` `Mistä?`
「どこで?」「どこから?」と尋ねる疑問詞も、実は格変化した形です。
場所を尋ねる
Missä sinä olet? (君はどこにいるの?)
→ Olen kotona. (家にいます。)
※ `koti` (家) は特殊な変化をします。
Mistä juna tulee? (その電車はどこから来ますか?)
→ Se tulee Tampereelta. (それはタンペレから来ます。)
※ `-lta/-ltä` という別の場所格もありますが、まずは `-sta/-stä` を覚えましょう。
今回のまとめ
格変化への第一歩、お疲れ様でした!
- フィンランド語は、名詞の語尾を変えて「てにをは」を表す(格変化)。
- 「〜の中で」は `-ssa/-ssä`、「〜の中から」は `-sta/-stä` を付ける。
- どちらの語尾を付けるかは、単語の「母音調和」によって決まる。
単語とパーツをパズルのように組み合わせる感覚、少し掴めてきましたか?フィンランド語にはたくさんの格がありますが、一つ一つは単純なルールです。ゆっくり攻略していきましょう。