第4回:動詞の活用と子音階程交替の謎
Nyt opimme verbejä! (ヌト オピムメ ヴェルベヤ! さあ動詞を学ぼう!)
これまで `olla` 動詞だけを使ってきましたが、今回からは「話す」「読む」といった一般動詞の活用を学びます。そして、動詞の活用と共に現れるフィンランド語のもう一つの大きな特徴、「子音階程交替(しおんかいていこうたい)」の謎に迫ります。単語の真ん中の子音が、なぜかカメレオンのように姿を変える不思議な現象です。ルールは複雑ですが、まずは「そんなことがあるんだ」と知ることから始めましょう!
動詞タイプ1 (`-a/-ä`動詞) の活用
フィンランド語の動詞はいくつかのタイプに分かれますが、最も数が多く基本となるのが、原形が -a または -ä で終わる動詞です。活用は、語幹に人称語尾を付けます。
動詞タイプ1の人称語尾
-n, -t, -V, -mme, -tte, -vat/-vät
※ `-V` は、直前の母音を繰り返す、という意味です。例: puhua → puhuu
子音階程交替 (KPTの変化)
フィンランド語の多くの単語は、語幹に「強い形」と「弱い形」があります。そして、活用などで音節の構造が変わるときに、語幹の子音 `k, p, t` が強い形から弱い形へ、またはその逆へと変化します。これが子音階程交替です。
基本ルール:人称活用では `minä, sinä, me, te, he` のときは弱い形、`hän` のときは強い形になることが多いです。
例: `lukea` (読む) k→(なし)
lukea の語幹は、強い形が `luke-`、弱い形が `lue-` です。
- minä luen (弱い)
- sinä luet (弱い)
- hän lukee (強い)
- me luemme (弱い)
例: `tietää` (知る) tt→t
tietää の語幹は、強い形が `tietä-`、弱い形が `tiedä-` です。(t→dの変化)
Minä en tiedä. (私は知りません。)
Hän tietää kaiken. (彼は全てを知っています。)
今回のまとめ
大きな山を二つ学びました。頭が少し疲れたかもしれませんね。
- 動詞タイプ1は、語幹に人称語尾 (`-n, -t...`) を付けて活用する。
- 活用するとき、語幹の子音 `k, p, t` が変化することがある(子音階程交替)。
子音階程交替のルールは非常に多いので、今は完璧に覚えようとせず、「単語の形が変わるマジックがあるんだな」くらいに思っておけば大丈夫です。動詞が出てくるたびに、少しずつ慣れていきましょう。